昨年9月、妊娠23週1日の早産で誕生したイギリスの女児がこのほど無事に退院した。これまで2回の心停止や未熟児網膜症の手術など様々な試練を乗り越えてきた女児は今月20日、約4か月間の入院生活で体重も2200グラム以上増え、初めて自宅に帰ることができたという。『Cheshire Live』『The Mirror』などが伝えている。

イギリス在住のレイチェルモーガンズさん(Rachel Morgans、33)は昨年9月20日チェシャー州クルーのレイトン病院(Leighton Hospital)で予定日より4か月以上早く娘のボニー・エリザベスちゃん(Bonnie Elizabeth)を出産した。

同病院では妊娠24週未満で生まれた赤ちゃんの蘇生は行わないそうだが、妊娠23週1日で誕生し体重が1ポンド7オンス(652グラム)だったボニーちゃんには“生命の兆候”が見られたため、医師が救命したという。

レイチェルさんは出産までの経緯をこのように振り返っている。

「腹痛で病院に行きました。最初は虫垂炎だと思っていたのですが、そこで双子を妊娠していることが判明しました。でも1人は助からず…それが痛みの原因でした。さらにもう1人の赤ちゃんは子宮外妊娠の疑いがあり、卵管の入り口に着床していると思われていたんです。でも何度かエコー検査をした結果、妊娠を継続できると判断されました。それがボニーです。」

「妊娠中はトラブル続きで出血することも多く、流産しかけたこともありました。そして9月20日11時15分、1時間ほどの陣痛でボニーが誕生しました。本当にあっという間でした。レイトン病院では24週未満で生まれた赤ちゃんの救命はしないそうですが、担当医と助産師はチャンスを与えてくれたんです。生き延びる可能性があれば助けると。そして生まれてすぐ泣いた娘に『頑張って生きようとしてるね』と言ってくれて。彼らが助けてくれたおかげで、ボニーはここにいます。“ボニー”という名前は私たちを救ってくれた助産師からもらった名前なんですよ。」

「正直なところ、この子は助からないだろうと思っていました。というのも長女のイモジェン(Imogen、11)が妊娠33週で生まれた時も大変で、助からないだろうと思っていたから。だから陣痛が始まった時、私と夫のアダム(Adam)は死産になるだろうと。なのでボニーが生まれて泣いた瞬間、ほっとしました。でも同時に別の問題を抱えることになるとも思いました。」

レイトン病院では十分な設備が整っていないため、のちにアローパーク病院(Arrowe Park Hospital)に転院したボニーちゃんだったが、これまでに2回の心停止や未熟児網膜症の手術などを乗り越えてきたという。そして1月20日にようやく退院し、初めて自宅に帰ることができたそうだ。

そんなボニーちゃんの現在の様子について、レイチェルさんはこう明かしている。

「体重は6ポンド6オンス(2892グラム)に増えましたが、まだ小さくて生まれたばかりの赤ちゃんのようです。ボニーは慢性肺疾患のために酸素吸入が必要で、恐らく一生付き合うことになりそうです。また7歳になるまで定期的に新生児コンサルタントや小児科の医師に発育や発達をチェックしてもらう予定になっています。」

「ボニーが退院することは、姉のイモジェンと兄のラルフ(Ralph、2)には伝えていなかったんです。なのでちょっと驚いたようで、ラルフはとても興奮していました。イモジェンはもう11歳なので、これまで起きたことを理解していて、家族みんなで暮らせることをとても嬉しく思っているようです。昨年の9月以降、家族全員が揃うことはありませんでした。そんな生活が終わったことに安堵しているようですね。」

画像は『Liverpool Echo 2022年1月24日付「Miracle baby born weighing the same as one and a half tins of beans」(Image: Rachel Morgans)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト