中国の自動車メーカーである上汽通用五菱(ウーリン)の格安電気自動車(EV)「宏光MINI EV」は約50万円という低価格を武器に、販売台数を伸ばしている。2021年1月から11月までに37万台を販売したという。

 中国メディアの網易はこのほど、この「宏光MINI EV」の登場に「日本人は焦っている」と主張する記事を掲載した。日本で「宏光MINI EV」を分解してみたところ、ある事に気が付いたからだという。

 記事は、日本で行われた分解調査から、「宏光MINI EV」の安さの秘密が明らかになったと紹介した。例えば、航続距離を伸ばすための「回生ブレーキ」を省いているが、「街乗り」と割り切ることで低価格を実現したようだ。記事は「上汽通用五菱は市場のことをよく分かっている」と称賛した。

 また、水冷装置ではなく空冷装置を採用したこと、部品は壊れやすくとも修理しやすい設計としたことなど、徹底的なコスト削減努力が行われていると指摘し、それによって低価格を実現したのだと論じた。

 続けて記事は、「日本人を驚かせ、焦りを感じさせたのは価格の安さではない」とし、それは宏光MINI EVに「日本製部品が使用されていないこと」だと強調。これまで自動車部品に日本メーカーの部品は欠かせなかったが、世界的に大ヒットする可能性のあるこのEVに日本製部品が搭載されていないことは、日本人にとって大きな衝撃だったに違いないと主張した。「宏光MINI EV」の成功は、中国人にとって大きな自信となったようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国で登場した格安EV、「日本人は焦っているに違いない」=中国報道