20年間で16回もの流産を経験したイギリス在住の女性が昨年10月、双子の女児を出産した。2組の一卵性双生児を妊娠していた女性のお腹には4人の赤ちゃんが宿っていたが、うち2人は初期流産してしまったという。当初4人を流産したと思っていた女性は、夢の中で亡き祖父から「まだ妊娠している」と告げられたため病院でエコー検査を受けたところ、子宮内に2人の赤ちゃんが残っていることが確認された。『WalesOnline』『The Mirror』などが伝えている。

リバプール郊外カークビー在住のエマ・ホワイトさん(Emma White、38)は、昨年10月に双子の女児を出産した。

この20年間で16回もの流産を経験したエマさんだが、12年前には娘のモリーローズさん(Molly Rose、12)を出産した。当時は繰り返す流産がトラウマになり、「出産はこれが最初で最後」と決めていたという。

しかし2019年、現在の夫ジョーさん(Joe、41)と出会ったことで気持ちが変わり、再び妊娠したいと思うようになったそうだ。

エマさんはこれまでの経験を次のように振り返っている。

「最初に流産したのは18歳の時で、これまで16回の流産を経験しています。いずれも妊娠9週目までの初期流産でした。ようやくモリーを産むことができた時、やっとそれまでの苦悩から解放されました。そしてまた流産して傷つくことのないよう、もう妊娠はしないと決めたんです。私は子供を1人産むことができて満足していたし、私自身もひとりっ子でしたから。」

「2019年に今の夫であるジョーと出会いました。彼はすぐに子供がほしいと言いましたが、もちろん最初は断りましたよ。でも彼と一緒にいるととても幸せで、2週間後には彼の赤ちゃんがほしいと思うようになったんです。」

その後、2度の妊娠と2度の流産を経験したエマさん。2020年の後半には3度目の妊娠が発覚しエコー検査の結果、双子であることが確認された。しかし残念なことに妊娠6週目で再び流産してしまったそうだ。

「双子を流産で失った後、私はもう赤ちゃんはできないなと…。そのことはジョーも十分に理解していました」と当時の心境を明かしたエマさんだったが、驚くことにその1か月後、再び妊娠していることが明らかになった。

「まったく予想外の妊娠だったし、最初の頃はとても不安でしたね。トイレに行くのも咳をするのも怖くて。そして妊娠6週目にまた出血してしまって、さすがに震えが止まらなくなりました。」

急いで「リバプール・ウィメンズ・ホスピタル(Liverpool Women’s Hospital)」で診察を受けた結果、子宮外妊娠の疑いがあったため緊急手術を受けることになった。しかし実際には卵管の一部が詰まっていただけで、赤ちゃんは無事だったそうだ。

そして後日行った検査で赤ちゃんが四つ子(一卵性双生児が2組)であることが判明し、思いがけないその事実に夫妻は大喜びしたという。

しかし喜びも束の間、妊娠9週目で大量出血を起こしたエマさんはその数日後、立ち上がった拍子に体から何かが出ていくのを感じたそうだ。

エコー検査の結果、医師からは「妊娠の兆候が見られない」と告げられ、悲しみに暮れるエマさんだったが、その数週間後にさらに驚くべき事実が判明した。

「4歳の時に亡くなった祖父のデイビッド(David)が夢に出てきて、まだ妊娠していると言ったのです。今までそんな夢は見たことがなかったので驚いて、ドップラー(赤ちゃんの心音を聞く機械)をお腹に当ててみたんです。そして耳をすませるとヒューヒューと音がして。ジョーはそんなはずがないと言ったけど、私は病院に向かいました。スタッフは泣きながら『まだ赤ちゃんがいるの!』と訴える私を見て、気が狂ったんだと思ったでしょうね。」

そして再びエコー検査を受けると、エマさんの子宮にはまだ2人の赤ちゃんがおり、妊娠12週に入っていることが確認された。

医師によると、彼女の子宮内では2度の「バニシングツイン」が起きたという。バニシングツインとは、妊娠初期に双子の片方が亡くなっても体外に排出されず母親の子宮に吸収され消えたように見える現象のことだ。エマさんの場合、2組の一卵性双生児それぞれにバニシングツインが起こった結果、二卵性双生児として2人が残ったという。

そして昨年10月2日、エマさんは妊娠37週を迎えオーロラアザレアちゃん(Aurora Azalea)とオフェリアリリーちゃん(Ophelia Lili)を出産した。

これまで多くの試練を乗り越えてきたエマさんは今回の妊娠と出産を“素晴らしい奇跡”とし、このように述べている。

「私は双子のママであることが大好きです。誰にでもできることではありませんが、毎日を大切にしています。娘たちが3か月になった今も毎日が奇跡のように感じています。私は今、流産を経験したことのある女性に自分は1人ではないと知ってもらうことを使命としています。それは決して恥ずかしいことではないし、苦しんでいる人もたくさんいます。そして妊娠するたびに恐怖を感じることでしょう。そんな女性にとって私のストーリーが少しでも希望になればいいと思っています。」

画像は『WalesOnline 2022年1月25日付「Mum experiences ‘vanishing twin syndrome’ – but they reappear and she delivers two healthy babies」(Image: PA Real Life)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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