猛犬

飼い主に代わって犬の世話をし、散歩をさせるペットシッターのアルバイト。その人気は高いが、アメリカ・テキサス州では先月、大型の猛犬2頭が若い女性のペットシッターを激しく攻撃し、重傷を負わせてしまった。

警察も介入している中、まずは民事訴訟が決定したことを『NBC News/DFW』『Dallas News』などが伝えている。


■犬が大好きな女子大学生

ペットシッターのアルバイト先で犬の急襲により重傷を負ったのは、アメリカ・テキサス州のコッペル市に暮らすジャクリーンデュランさん。

テキサス大学ダラス校に通う22歳の女子学生で、大の犬好きである彼女は先月、ペットシッターの求人を見つけて応募。12月23日、雇用主の家を訪ねたところでその事故が起きた。


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■頭部に激しい損傷

呼び鈴を鳴らし、玄関前に立っていたジャクリーンさんは、扉が開いた途端にいきなり飼い犬2頭に飛び掛かられ転倒。犬種はピットブルのミックス、そしてジャーマンシェパードミックスだった。

鼻、唇、両耳、さらに頬の大部分の肉を失うなどして、ジャクリーンさんは大量出血のなか病院に搬送され、現在も治療が続いている。ただし神経の損傷もひどく、医師からは「数ヶ所については永久に機能が回復しないだろう」と告げられたという。

■「謝罪の言葉もない」と父親

ジャクリーンさんに代わって父親のジョン・デュランが立ち上がり、このほど飼い主であるジャスティン・ビショップさんと妻のアシュリーさんを提訴した。

「娘の人生をめちゃくちゃにしておきながら、何ら謝罪の言葉もない。あれほど獰猛(どうもう)な犬を他人に世話させようとするなど、無責任きわまりない」と非難しており、日本円で約1億1,500万円を超える損害賠償金を請求すると主張した。


■猛犬を自覚していた飼い主

ペットシッターを雇うにあたり、ビショップ夫妻には「攻撃的な犬たち」という自覚があった。自宅の玄関先には『猛犬注意』の札が貼られ、続けて「呼び鈴やドアのノックは危険です。宅配の荷物はドアの手前に置いておいてください」と書かれていた。

裁判所には、800~1,000の歯形が確認されたという記載がある診断書も提出され、2頭にはその後に安楽死が命じられたという。


■過失傷害罪の適用も

911番通報を行ったのは、悲鳴を聞きつけ大量の血痕に気づいた近隣住民だった。彼らは「飼い主のビショップ夫妻ですら、あの猛犬たちには手を焼いている様子だった」と証言している。

警察もこの事故については介入している。猛犬の自覚がありながら安全配慮に欠けていた飼い主について、過失傷害罪に問う可能性が検討されているとのことだ。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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