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 近年、スマホの普及によって、世界各国で未確認飛行物体目撃事例が急増した。またアメリカではUAP(未確認航空現象)を担当する政府組織まで発足するにいたった。

 そんな中、複数の専門家は、2022年、UFO/UAP研究はターニングポイントを迎えるだろうと証言している。つまり大きく進展するということだ。

 これまでUFOに関する主な疑問は「それは本物か?」だった。だがこれからは「それは何か?」になり、より多くの科学者や政府機関から注目されるようになるというのだ。

【画像】 2022年、UFO捜索は進展する

 UFO研究センターのマーク・ロデギエリ氏は、2022年にはUFOの捜索に大きな進展が見込まれるだろうと話す。

リアルタイムでUFO現象を検出・追跡する取り組みは、新しい段階に入りました。技術はますます進歩しており、ソフトウェアも改善されました。

また最近UFOへの関心が高まったおかげ、きちんとした資格のある新しい専門家が集まってきています
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photo by iStock

ガリレオ・プロジェクト

 そうした一流の科学者による最新技術を利用したUFO捜索計画の1つに「ガリレオ・プロジェクト」がある。

 同プロジェクトでは、可視光・赤外線・電波などで空全域を記録し、「オウムアムア」のような恒星間天体の正体の特定や、現在米政府が関心を寄せている「UAP(未確認航空現象)」の謎の解明を目指す。

 ガリレオ・プロジェクトでは人工知能も大いに利用され、鳥・ドローン・飛行機といったありふれたものと、そうではないものが自動的に区別されるようにもなる。

 プロジェクトの中心人物である、ハーバード大学の著名な天文学者アヴィ・ローブ教授は次のように語る。

ガリレオ・プロジェクトのデータは公開され、科学的な分析は透明なアプローチで行われます。それによる科学的発見は、国境の壁など関係なく、人類の知識を拡大することでしょう

 すでに100人以上の科学者が参加しており、2022年春にはハーバード大学天文台に最初の望遠鏡システムが組み立てられる予定だ。

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image credit:Department of Defense

UFOは未来からやってきた人類なのか?

 UFOの正体について、最近注目されている新しい説がある。それはUFOはじつは未来からやってきた人類であるというものだ。

 モンタナ工科大学の人類学者マイケルマスターズ教授は、「タイムトラベラー説は、ここ数年大きく注目されています」と話す。

 彼は、UFOやそれに乗っている宇宙人は私たちの遠い子孫で、タイムトラベルで過去を訪れ、人類学的な研究として私たちを調査しているのだという前提に立って考察し、それを『Identified Flying Objects(”既”確認飛行物体)』という本にまとめている。

UFOがどうやって動作し、なぜあれほどの加減速ができるのか? なぜ宇宙人は目撃された場所や時代にかかわらず、その振る舞いも技術も姿も人間に似ているのか?

彼らが宇宙船周囲の時空を操れると仮定し、伝えられているその姿を真面目に受け止めれば、いろいろなことの辻褄が合うとみんなが気づき始めているのだと思います
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photo by Pixabay

各組織が独自に研究していき、情報を共有することで成果が

 さまざまなグループがUFOの研究に乗り出す一方で、そこには課題もある。それは各組織の連携に関することだ。

 アルバニー大学の物理学ケビン・クヌープ准教授は、「今はワクワクする時代」と評しながらも、ひとまず組織同士の連携はない方がいいかもしれないと語る。

 確かにそれによって作業効率は高まるかもしれない。しかしUFOについてほとんど何もわからない現状では、個々の組織が独自にさまざまなアプローチを試した方が、何かが発見される可能性は高いと考えれる。

各グループが独立して作業に取り組み、それぞれ異なる機器や手法を試したり、さまざまな場所を観察したりした方が、発見の可能性は高まるでしょう

 そうして色々試して、上手くいったものを共有していけばいい。

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「それは本物か?」から「それは何か?」へ

 だが先程のマスターズ教授は、UFOの話題がさまざまな分野で真剣に取り上げられつつある現状について、肯定的に受け止めている。

 UFOといえば、これまでは胡散臭さが漂ったものだ。真面目に研究したいと思っていても、一度UFOに手を出してしまえば、真っ当な科学者とは見られなくなるリスクがあった。

 だが、そうしたレッテルが外されれば、より多くの優秀な専門家の参加が望めるだろう。そうなれば、それだけ謎の解明は早くなる。

 少なくともアメリカ政府が原因不明の現象があることを認め、その対策に乗り出してくれた。

 そのおかげで、「それは本物か?」という議論から、「それは何か? どこから、いつやってくるのか?」という議論に前進することができると、マスターズ教授は語る。

 2022年はまだ始まったばかり。この1年で一体どんな発見があるだろうか? ちなみにNASAの科学者は、「地球外生命が見つかったらどうするか、そろそろ真面目に考えよう」と呼びかけている。

References:2022 could be a turning point in the study of UFOs | Space / written by hiroching / edited by parumo

 
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2022年、UFO(UAP)研究は大きく進展する。多くの科学者や政府が注目することで真実が見えてくる。