映画『ドリームプラン』が2月23日(水)に日本公開となる。この度、リアルを目指した製作陣のコメントと新たな場面写真が解禁された。

本作は、世界最強のテニスプレーヤーとも称されるビーナスセリーナ・ウィリアムズ姉妹を、ゼロからテニスのワールドチャンピオンに育て上げたテニス未経験の父リチャードが独学で作り上げた「計画書=ドリームプラン」にまつわる“驚きの実話”。

ウィル・スミスが主演とプロデューサーを務め、『Monsters and Men(原題)』『Joe Bell(原題)』のレイナルド・マーカス・グリーンが監督、共演には『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』のアーンジャニュー・エリス、『フェンス』のサナイヤ・シドニー、『Godfather of Harlem(原題)』のデミ・シングルトン、『ダイバージェント』シリーズのトニー・ゴールドウィン、『モンタナの目撃者』のジョン・バーンサルらが名を連ねる。

ある日、優勝したテニスプレーヤーが4万ドルの小切手を受け取る姿をTVで見たリチャードは、子供が生まれる前から「世界王者にする78ページの計画書」を独学で作成。お金もコネもなく練習するのも劣悪な環境下、途方もない問題に直面しながらも、ビーナス&セリーナと共に“ドリームプラン”を実行し続けた。その常識破りのプランでいかにしてふたりの娘が世界の頂点へ上りつめるのか。どんなに無謀だと言われても揺るがぬ信念を持ち、子供の可能性に人生のすべてを捧げ、リチャードは不可能をぶち壊し突き進んでいく。



世界最強のテニスプレーヤー姉妹、ビーナス&セレーナ・ウィリアムズの破天荒な実父リチャードの驚きの実話を描いた本作は、往年の名プレーヤーであるジミー・コナーズジョン・マッケンロージェニファー・カプリアティ、名コーチであるポール・コーエンやリック・メイシー等も続々登場とし、テニスファンが唸る内容だ。

ノンフィクション作品にリアリティを持たせるために、製作陣は部門ごとに優秀なスタッフを集めた。製作陣は、レイナルド・マーカス・グリーン監督の意向について、「レイは、この映画をつまらないものにしたくないと強く思っていた。彼女たちをハリウッドのアスリートに仕立て上げるのではなく、リアルな姿を描くことをめざした」と語り、コートの上ではキャストたちに汗をかかせて、息づかいを荒くさせるところまでリアリティにこだわっていたという。

続けて「俳優を実在の人物に合わせる際、レイ(監督)は、本人に認めてもらって心に刻まれるぐらいに、その人物にできるだけ近づけてほしいと考えていた。でも、俳優がおかしく見えるほどにしてほしくはなかった」と解説し、ウィル・スミスのメイクアップアーティストは、特殊メイクを検討していたが、あえて細かい部分だけ作業にしたそうだ。

また「彼を見ても、本物に真似たとは思わないだろうね。そこにはリチャードのエッセンスだけが見て取れて、まさにそれがウィル自身によって表現されているんだ」とあえて役者の演技力の高さに委ねたという。

Ray/レイ』(2004年)、『ドリームガールズ』(2006年)でアカデミー賞衣装デザイン賞に2度ノミネートされているシャレン・デイビスは、インターネットで当時の情報は簡単に手に入ったが、その時代の服はそれほど簡単に入手できなかったと明かした。「1980年代後半から90年代にかけてのファッション界は、数年ごとに大きく変化して、衣服は長持ちするようなものではなかった。本物のテニスウェアを実際に手に入れて、自分たちで生地を調達し、そのウェアから同じシルエットを保ったままデザインした」と誰もが当時のファッションを知っているからこそ、細部までこだわって90年代にタイムスリップしたかのように見せたのだ。

さらに映画の中のテニスの試合をリアルに見せるため、製作陣はビーナスを演じたサナイヤ・シドニー、セリーナを演じたデミ・シングルトンらを厳しいトレーニングプログラムに参加させた。製作総指揮を務めたビーナスとセリーナの実の姉であるイシャ・プライスは「私の妹たちが変革をもたらした。私の父はユニークで、誰が何と思ったり言ったりしようと、時代の流れに逆らうことを選び、ビーナスとセリーナが変革をもたらした。その結果、彼女たちは、それまでの女子テニスに存在しなかったパワーと技巧を取り入れた。それをスクリーンで見ることが重要」と、レジェンド姉妹を描くためにリアルを徹底した。

そして「私の妹たちのレベルに達するには、何年も練習する必要がある。だからこそ、本物のテニスプレーヤーを代役に起用することが必須だった」と、リアルなテニスシーン再現するためにプロ志望の選手達の力も借りたことを明かす。

「誰もがビーナスやセリーナに影響を受けていた」とレイナルド・マーカス・グリーン監督が続ける。「一方で、サナイヤとデミが自分自身の力で上手になっていく姿には驚いたね」と、決して努力を怠ることなく、トレーニングに励んだ若きふたりの女優の成長が、この映画の原動力になったという。

ウィル・スミスは「私を驚かせたのは、サナイヤが左利きだということなんだ。彼女は史上最高のテニスプレーヤーのようにプレーする方法を学んだだけでなく、それを利き手ではない手でおこなう方法も学んだ。これは素晴らしいことだと純粋に思う」と利き腕を変えてビーナスのプレイを再現した新星の努力を讃えた。

開された場面写真2点は、ビーナスが、プロとして初めて出場したWTAツアーのうちのひとつでもあるバンク・オブ・ウェスト・クラシックに“勝負ヘア”で登場するカット。白のビーズで髪を飾った彼女は自信に溢れた表情でコートに立つ。そして、真剣な眼差しで相手コートにテニスボールを打ち込もうとする直前の凛々しい姿がとらえられている。

「すべての始まりの地である現地で撮影する必要があると感じた」と製作のティム・ホワイトが語る通り、『ドリームプラン』は、ビーナスとセリーナが父リチャードと実際に練習したアメリカ郊外で撮影し、壮大なスケールや広さを感じさせるロケーションで細かいところまでテニス大会を再現、観客を白熱の会場へと誘ってくれる。

ドリームプラン』
2月23日(水)公開

『ドリームプラン』