股間

嗜好品としての大麻の使用を認めるよう訴える人が、このところ日本でも増えているという。だが、大麻を長期間乱用することで稀に起きる、大麻誘発性精神障害をご存じだろうか。イギリスの『Metro』ほかがショッキングな症例を紹介し、波紋を広げている。


■大麻誘発性精神障害の問題

日本では、大麻の所持、販売、娯楽用の使用がいずれも大麻取締法により厳しく規制、管理されている。娯楽用大麻の解禁を求める声が上がろうとも、クリアしなければならない問題点がいくつもあるようだ。

そのひとつが、人格が変化し、犯罪や自傷行為に結びつくことがあるとされる「大麻誘発性精神障害」。このほど査読付き医学誌の『Journal of Medical Case Reports』に、タイ・バンコクのチュラロンコン病院緊急治療室の医師団が1つの症例を報告した。


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■ペニスの形が歪んで見える

患者は、タイの23歳の男性。2年にわたり娯楽用の大麻を使用し続け、3ヶ月間やめて再び使用するようになったところ、精神面の異変が現れるようになったという。大麻使用の事実は、尿検査でも確認されている。

普段から健康で基礎疾患はなかったが、大麻を再開したあたりから影が動く、鳥や昆虫の鳴き声が聞こえるなどの幻聴、幻覚が生じるようになった。ある日、大麻の使用後ペニスの形が歪んでいると感じてパニックに。ハサミを手にとると、徐々にペニスを切断していったという。

■「痛みと歪みを取り除こうと」

痛みはさほどなかったそうだが、下半身が大量出血していることに驚いた男性は、自ら病院に向かった。だが、持ち込まれたペニスの接合手術はかなわなかった。

当時の状況について、本人は医師に「大麻を吸って2時間ほどすると、性的な刺激もなく勃起した。鋭い痛みがあり亀頭も歪んで見えたため、ハサミで痛みと歪みを取り除こうと思った」などと説明したという。

持続勃起症の可能性が疑われたが、ペニスを失った今、それを確認する術はない。


■2cmだけのペニスに呆然

男性は大麻の影響が消えたところで、2センチだけ残っているペニスを見て呆然としていたという。自身の愚かな行為をひどく後悔し、大麻はきっぱりとやめたそうだ。

ナンタナン・ジェングスエブサント医師らは、「ここ数十年の間に、世界のあちこちで大麻が娯楽用として使用されるようになりました」「今回の症例はきわめて稀なものですが、大麻の影響で妄想、幻覚に洞察力や判断力の低下が加わると、意図せず自傷行為に走る人がいることには十分な注意が必要です」と報告書をまとめている。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

ハサミで自ら局部を切断した男性も… 娯楽用大麻に「大麻誘発性精神障害」の問題