新生児・赤ちゃん・保育器

新生児病棟に何者かがしのび込み、誕生したばかりの赤ちゃんを誘拐するという事件が世界各地で起きている。人身売買を目的とする犯行のほかに、「赤ちゃんを産み育ててみたい」という気持ちが抑えられない、精神に問題を抱えた者による犯行も多いという。

そんな中、アメリカ・アイオワ州ではやや特殊な事件が起きていたようだ。地元メディアの『KCRG-TV9』『KCAU-TV』などが報じている。


■新生児病棟に簡単に侵入

昨年12月27日、アメリカ・アイオワ州デモインにあるマーシーワン・デモイン医療センターで、驚きの事件が起きていたことが明らかにされ、警備体制の甘さに市民から批判の声があがっている。

「生まれたばかりの赤ちゃんの父親」を名乗る男が同医療センターに現れ、新生児病棟にいとも簡単に不法侵入していたのだ。


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■愛情深いパパを装う

小さな赤ちゃんたちのベッドが並ぶ新生児育児室に侵入したのは、アダム・ウェディグ容疑者(36)。この男は、見ず知らずの赤ちゃんを愛おしそうに抱きあげると、哺乳瓶でミルクを与え、丁寧に世話をしていた。

誰の目にも「愛情深いパパ」と映っていた容疑者だが、その後、赤ちゃんの父親は異なる男性であることがわかり、病院はあわてて警察に通報。その防犯ビデオの映像をもとに、警察が市民に情報提供の協力を呼びかけた。

■動機は不明

逮捕されたウェディグ容疑者は取り調べに対し、「赤ちゃんをさらったり、危害を加えるつもりはなかった」と話すものの、動機は不明のまま。また、赤ちゃんの両親と面識があったか否かも、確認できていない。

ウェディグ容疑者は以前の犯罪で服役しており、仮釈放の期間中にこの事件を起こしていたため、身柄はポーク刑務所にただちに戻されたという。


■病院側も声明を発表

また、マーシーワン・デモイン医療センターは「非常にやっかいな問題をはらんでいる事件でした。新生児病棟のスタッフの人数を増やし、外部からの来院者に対する警備についてスタッフに再教育を行いました」との声明を発表。

来院者が入口で記入する用紙や、受け入れる病院側のマニュアルについても、何点かの項目を変更、あるいは強化するとしている。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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