新入社員を迎えて、早や1か月。不慣れな職場で、上司や先輩たちと様々なドラマを繰り広げていることだろう。テレビでも、職場の困った新入社員=「モンスター新人」をネタにした番組が放送され、ネットで大きな話題となっている。

4月29日放送のバラエティ「内村とザワつく夜」(TBS)では、モンスター新人をテーマにした特集が組まれ、「500人以上の先輩・上司に取材した」というエピソードが、コント形式で紹介された。

やる気がないなら帰れ!」と言ったら本当に帰る、といった定番ネタの他、「説教されている最中にお菓子を食べる」「『友達のバンドの初ライブがあるから』と自分の歓迎会をドタキャン」といったインパクトのある新人も登場。「ラインのスタンプで謝罪」といった嘘みたいなネタまである。

「土日出勤NGなんですけど」を上司が問題視

「モンスター新人」は、ここ最近、テレビで度々取り上げられる鉄板ネタだ。フジテレビの情報番組「ノンストップ!」でも4月4日に、「メモは取らずに写メ(ケータイやスマホの写真)で済ませる」「叱ると逆切れ、次の日に辞める」など驚くようなケースが紹介されていた。

こんなネタばかりだったら、視聴者は笑って「ホントかよ」でお終いだったが、今回の「内村とザワつく夜」では、一つ議論が起きるネタがあった。それは残業に関するものだ。

旅行代理店が、全社員から「夏休みシーズンの新商品」の企画を募集することになった。採用されると新人でもプロジェクトリーダーになれるというが、そこで新人の1人がこんな質問をしたという。

「企画書を作る時間って、残業代出ますか? あと僕、土日出勤NGなんですけど大丈夫ですか?」

上司は「この流れで、そこ気になるか?」と困惑。番組では「モンスター新人」の項目のひとつとして「残業代が出るか気にする」が挙げられていた。これがネットで拡散し、ツイッターでは番組に対する批判が殺到した。

「すごいな、今の世の中は。残業代気にしたらモンスター扱いだとよ」
「残業代気にすることの何が悪いのか分からん」
「仕事が遅いほど残業代が高い」という悩ましさ

ただ、入社したばかりの新人が、このタイミングで言い出すことではないという意見もある。給料に見合うだけのスキルも成果もないのだから、まずは素直に言われたことにしたがってみるべきというわけだ。

「『仕事もちゃんと出来てないのにもう残業代もらうつもりなのか』と昔は言われてた気がする。その世代の視点だとモンスター新人に見えるのかな」

確かに、先輩よりも劣った成果でありながら、仕事が遅いだけで、より多くの給与や手当をもらうことにもなりかねない。そういう視点をもった上司は「残業代を気にするくらいなら、君にはやらせない」と言いたくもなるのだろう。

また、企画書を作る時間に「残業代を払えばいい」という意見とともに、試用期間の新人には「そもそも残業などさせるべきではない」という声もあった。

「この時期にすでに残業代を確認せざるを得ないような労働時間になる仕事量が新人に割り振られてる時点で、新人がモンスター並に仕事遅いか、企業がモンスター並に仕事させるかのどちらか」

それにしても「社員は残業して当たり前」という日本の企業風土は、どうしても変わらないのだろうか。仕事は原則、就業時間中に行うことが当たり前になれば、こういう摩擦も起こらずに済むに違いない。

あわせて読みたい:「残業代ゼロ」になったらどうなる?