高性能パワーデバイスを扱う蘇州東微半導体(688261/上海)が2月10日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格130.00元に対し初値は7.54%高い139.80元だった。

 同社は2008年設立。高性能なパワーデバイスの研究開発を主業務とする半導体企業で、工業や自動車関連の中型、大型パワーデバイス向けMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)製品に特化している。同社が開発したEV向け高電圧MOSFET製品のGreenMOSは世界先進レベルの性能を持つ。2020年の世界の高圧スーパージャンクションMOSFET製品市場シェアは3.8%、中国におけるシェアは8.6%。中低圧MOSFET市場シェアは世界で0.2%、中国国内で0.4%となっている。

 2020年12月期の売上高は3億878万元(前期比57.5%増)、純利益は2768万元(同203.9%増)2021年1〜9月期の売上高は5億5919万元(前年同期比183.11%増)、純利益は9276万元(同504.34%増)。

 新規上場により調達予定の9億3869万元(約179億円)は、21.75%の2億414万元をスーパージャンクション・遮蔽グリッドパワーデバイス製品の改良、産業化プロジェクトに、11.47%の1億770万元を新構造パワーデバイス研究開発・産業化プロジェクトに、18.09%の1億6984万元を研究開発プロジェクトセンター建設に用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【上海IPO】高性能パワーデバイスの蘇州東微半導体、初値は公開価格を7.54%上回る