TOHOシネマズが邦画、洋画問わず“いま、気になる映画・映画人”をピックアップして観客へ届ける「TOHOシネマズ・ピックアップ・シネマ」が2月10日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。

第2弾となる今回の主役は、気鋭のアニメーション監督・いしづかあつこ監督。この日は新作『グッバイ、ドン・グリーズ!』と、劇場公開作品として初監督を務めた『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』が連続上映され、いしづか監督、両作品の劇伴を担当する藤澤慶昌、田中翔(KADOKAWAプロデューサー)が舞台挨拶に立った。

いしづか監督は愛知県立芸術大学在学中から多数の映像作品を制作し、2004年にアニメーションスタジオ「MADHOUSE」入社。数多くの作品の演出・監督を経て、『さくら荘のペットな彼女』『ノーゲーム・ノーライフ』『ハナヤマタ』、“よりもい”の愛称で知られる『宇宙よりも遠い場所』など精力的に作品を監督。劇場版『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』で劇場デビューを果たした。

2月18日には脚本も手掛けた新作『グッバイ、ドン・グリーズ!』が全国公開。同作は高校生たちが経験する夏休みの冒険を描くオリジナル作品で、いしづか監督は「観て感じるものはたくさんあるのに、その気持ちを言葉で表現できない。そんな感覚を、いっぱい詰め込みたかった」と思いを語った。

企画が立ち上がった段階では「『よりもい』を喜んでくれた皆さんにちゃんと伝わる作品に。そんなキーワードしかない状態だった」といい、「世界線を超えるタイムリープものも試したんですが、ギミックが面白いだけでは、キャラクターが活きてこない。地味かもしれないが、キャラクターそのものをちゃんと描く作品に振り切ろうと、ようやく地に足がついた」と舞台裏の試行錯誤も明かした。

いしづか監督の発言に、田中プロデューサーも「オリジナルの劇場アニメを作るという、一番高いハードルに挑むことになった」と頷き、「最初は風呂敷をめちゃめちゃ広げましょうと(笑)。でも、畳めないものを広げてもしょうがないので、『生き方を変える瞬間を描ければいいんじゃないか』という監督の言葉から徐々に走り始めた。そこにたどり着くのが一番大変だった」と振り返った。藤澤は「観た人それぞれが、それぞれの宝物を手に入れたり、思い出したりするきっかけになる作品」と感想を述べていた。

グッバイ、ドン・グリーズ!』は、ひょんなことから山火事の犯人に仕立て上げられてしまった主人公ロウマら仲良しチーム“ドン・グリーズ”が、自分たちの無罪を証明するドローンの行方を探し求める青春アドベンチャー。ロウマを『鬼滅の刃』シリーズの花江夏樹が、仲間のトトとドロップ梶裕貴村瀬歩がそれぞれ演じている。

取材・文=内田涼

<作品情報>

グッバイ、ドン・グリーズ!

2022年2月18日(金) 全国公開

声の出演:花江夏樹 / 梶 裕貴 / 村瀬 歩 / 花澤香菜 / 田村淳(ロンドンブーツ1号2号)/ 指原莉乃
監督・脚本:いしづかあつこ
キャラクターデザイン:吉松孝博
アニメーション制作:MADHOUSE
主題歌:[Alexandros]Rock The World」

映画公式サイト:
https://donglees.com/

映画グッバイ、ドン・グリーズ!』本予告編(ロングver.)

(C) Goodbye,DonGlees Partners

「TOHOシネマズ・ピ ックアップ・シネマ」舞台挨拶より