「第3ブランド」こと新航空会社のハナシも出ました!

片野坂氏は会長へ

航空会社のANA(全日空)やピーチなどを傘下にもつANAホールディングスは、2022年2月10日(木)の取締役会で、現・代表取締役専務執行役員の芝田浩二氏が4月1日付けで新社長に就任することを決定しました。現・代表取締役社長の片野坂真哉氏は代表取締役会長に就任します。

現社長の片野坂氏は「就任から7年間、常に安全第一を掲げてきました。社員の結集力を感じることができ、本当に感謝しています」と振り返ります。片野坂氏在任中のANAグループでは、国際線の大規模な拡張、貨物機の購入、傘下のLCCピーチバニラエア統合を実施。2018年度には売上2兆円を記録したとのことです。一方「最後の2年はコロナ対応に追われてきた」とも。需要低迷で大幅な赤字となるなか、未曾有の状況での舵取りを強いられてきました。

片野坂氏は社長交代の理由を「生き残り成長を続けるなかで新陳代謝は不可欠です。コロナを乗りきるため、経営陣が一致団結できている今が引き継げるタイミングだと思いました。経営計画の手綱を緩めず、努力と挑戦のDNAを後任に引き継げれば。最強の布陣ができました」と話します。

片野坂氏が「肝が据わっていて、エネルギッシュな人物でグローバルな視点をもっている」と評する芝田新社長は、これまでANAホールディングスのグループ経営戦略室長、グローバル事業開発部長などを務め、経営戦略の中心人物のひとりでした。

芝田新社長はANA HDをどう舵切り?

芝田新社長は今後「足繁く現場に行き、会話を重ねていきたい。”互尊”を意識していきたいです」と話します。「まずは来年の黒字化予算の策定にむけ、全力を尽くします。賃金の復元も目指して従業員の労苦に報いることができればと思います」としています。

芝田新社長によると経営方針は「現在の方針をおおむね踏襲する」とのこと。その一方で、「今後は新規事業領域を加速させ、リソースの配分のメリハリをつけていきたい」と新体制の方針を説明します。

非航空事業については、「ANAの”経済圏”全体を押し上げ、(ユーザーが)そこに滞留できるようにするが重要」といい、引き続き拡大の方針です。

本業の航空事業についても”攻め”の方針を見せます。2022年度から2023年就航を目指す「第3ブランド」と呼ばれるグループ内の新航空会社については、アジア・オセアニアを中心に路線展開を図るとのこと。「詳しい状況は追ってお伝えできればと思うが、一度乗ったら、また乗りたいと思える航空会社を目指します」と話します。

左がANA HD新社長に就任する芝田浩二氏。右が現社長の片野坂真哉氏(2022年2月10日、乗りものニュース編集部撮影)。