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 アメリカでは、野生の七面鳥が生息しており、郊外や公園などでは良く見かけるのだが、今回彼らが集まってきたのはNASAだ。

 カリフォルニア州マウンテンビューにあるNASAエイムズ研究センターに七面鳥が結集。宇宙に連れて行ってくれ、と訴えにきたのか?

 現在ちょっとした混乱を引き起こしており、米国農務省が捕獲と移動を試みているようだ。

【画像】 NASAの研究センターを七面鳥が包囲!?

 アメリカの野生の七面鳥は、何十年にもわたり乱獲が問題となっていたが、保護活動が実を結び、その個体数が復活した。

 そして現在、NASAエイムズ研究センターでは、七面鳥によって引き起こされた問題が顕著になっているという。

 2019年以前は、同センターで5~8羽の野生の七面鳥の姿が見られたが、現在20~25羽ほどのグループに拡大している。

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 彼らはキャンパス内に糞をまき散らし、車をつつき、交通を遮断するという事態を引き起こしている他、近くのモフェット・フェデラル飛行場での飛行をも妨害するなど、かなりの混乱が生じているようだ。

七面鳥たちにお引き取り願うよう作戦を実施

 そこで、七面鳥が巣作り期間に入る前に、NASAエイムズセンターは米国農務省(USDA)に対応を依頼。

 同職員たちは、トウモロコシなどの餌を使って、七面鳥を1つのエリアに誘導させて捕獲し、サンアントニオバレー生態保護区に移動する試みを実施中だ。

個体数が増えた七面鳥に餌付けする人たちの問題も

 UDSAスポークスパーソンのターニャ・エスピノサさんは、こう述べている。

七面鳥のストレスを軽減するよう、注意を払って捕獲・移動を行いますが、囲い罠をしかけるためとはいえ、野生の七面鳥に餌をやると人間と食べ物を関連付け、今後七面鳥が餌を探す際に、人間に対して攻撃的になる可能性があります。

 しかし既に、UDSAの懸念は周辺で発生している。

 野生の鳥に餌付けをしないようにという注意喚起が出ているにもかかわらず、餌を与える人が後を絶たず、七面鳥が住み着き、巣作りをする習慣がついてしまったことが、混乱を引き起こす原因の1つになっているようだ。

自分たちの領土を主張し、大胆になっている七面鳥

 野生生物当局によると、個体数が増え続けるのを防ぐため、巣作りの時期になると七面鳥を捕獲し移転しているということだが、七面鳥はNASAを完全に自分たちのテリトリーであると思い込んでいるようで、その行動は以前より更に大胆になっているという。

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 今回の七面鳥の捕獲と移転には1~2週間かかるとされており、それまで餌を与え続けなければならないが、NASA側は「この措置は、七面鳥の安全と福祉、そしてエイムズの地域と人々を保護することになる」と声明文を発表している。

 UDSAおよび野生生物当局は、家の近くで攻撃的な七面鳥に遭遇した場合は、箒や開いた傘、杖、また水ホーススプレーすることで身を守ることを推奨しているが、何よりも野鳥との交流や餌付けを避けるよう、注意喚起を促している。

 NASAの未来は七面鳥に牛耳られてしまったのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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宇宙に行きたいのか?野生の七面鳥がNASAの研究センターに集結、大混乱を引き起こす