「あいつのことは話したくない」「コメントする価値がない」「二度と関わりたくない」

これほどまでに、嫌われている人物も珍しいだろう。逮捕歴5回の元迷惑系YouTuberへずまりゅうのことだ。氏に関係した人物にコメントを求めると、一様に拒否された。


■立花NHK党首も警告

へずまがYouTubeから追放され、ただの「迷惑な人」になって久しい。彼がまた、やらかしたのだ。唯一、取材に応えてくれたNHK党立花孝志党首からは次のように警告された。「彼はとにかく目立ちたがり。記事にすること自体で喜んでしまう。みんな無視するしかない」。

とはいえ、へずまりゅう特有の迷惑行為に著名人も加担し、炎上しているので、伝えなければなるまい…と思い、ペンを執っている。


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■へずまりゅうとは?

へずまりゅう

へずまりゅうとは何者なのか。ざっと説明したい。へずま山口県出身。山口から東京に来ては、メントスとコーラを持って渋谷に張り込み、有名YouTuberに突撃していた。

へずまは、有名YouTuberの家に突撃したり、撮影中のYouTuberに向かって「メントスコーラお願いします! あなたのこと愛してるんですよ!山口から来ました!」と大声で叫びながら、相手が無視しようが逃げようが執拗に追う。そして、そういった様子をYouTubeにアップしていた。

■逮捕やコロナ騒動で話題に

へずまりゅう

へずまを世間に知らしめたのが4回目の逮捕だ。2020年7月15日、その年の5月上旬に愛知県岡崎市内のスーパーの商品「魚の切り身」を精算前に食べたため、窃盗容疑で逮捕された。

その折、コロナに感染するもYouTube活動を続けて山口県内でへずまに接触した山口県民が多数、コロナに感染させられた。同県の村岡嗣政知事は「なんてことをしてくれるんだ」と会見で、へずまを批判。それらが全国ニュースに。

また、昨年、秋の参議院補選山口選挙区からNHK党公認で出馬。「選挙演説を介して、迷惑をかけてしまった人たちに謝罪をしてまわりたい」と反省を口にした。


■SNS引退宣言も

筆者から「反省しているならば現在、争われている刑事事件で自己弁護をやめ、実刑をくらい、獄中で頭を冷やしたらどうか」と問われると絶句してしまい、会見に同席した立花党首が助け船を送った。

また同会見で「1万票とれなかったら、SNSを引退する」と宣言し、記者が確認の質問をすると「絶対にやめます。断言します」と大風呂敷を広げたが、結果は6,809票で1万票を大きく下回った。

しかし、そこがへずまらしく、公約を完全無視。その後もSNSで活動を展開し、渋谷駅周辺でハロウィンで暴れるなど、何かと話題を提供してきた。

■「渋谷でホームレス」という嘘

今年になると渋谷駅ホームレスになったとへずまはアピールし、経済的に困窮していることを訴えた。

しかし、かつての友人で、青汁王子こと起業家の三崎優太氏が「現代版のリアル物乞い。スパチャ投げ銭)で1日の収入は10万円を切っていない」と暴露され、投げ銭は激減。ただ、ホームレスということで物乞いは続けた。立花党首は語る。

「いわゆる『こじき罪』と呼ばれる軽犯罪法で、対価が伴わず、お金を請うことは禁じられています。へずまは白昼堂々とそれを行った。さらに、ホームレスというのは単なるパフォーマンスで、彼は大金を持っていますし、実際はホテル生活。目立つためならば何でもやるのが、へずまりゅう。まったく反省していない」

ホテル生活でなく知人宅を泊まり歩いたという説もあるが、路上泊していなかったことは確かだ。へずま2月14日から新しい職に就いたことをアピールし、完全に社会復帰したことを宣言した。


■へずまに騙された社会福祉活動家

ここまでならば、筆者も記事にはしていない。ホームレス生活はネタだと関係者から聞かされていたからだ。大ボラ吹きが、またホラを吹いている程度にしか思わなかった。

困ったのが多数の著書を持ち、メディアにも頻繁に露出する社会福祉活動家が本気にしてしまい、支援の手を差し伸べようとしたからだ。その人物こそ「反貧困ネットワーク埼玉代表」などの肩書きを持つ藤田孝典氏だ。

真摯に困窮者を助ける姿勢が評価される一方、貧困ビジネスと指摘する人もいて、評価は分かれる。「性産業廃止論」者としても知られ、当事者を侮蔑するかのような発言が問題となり、セックスワーカーたちが抗議し、面会を求めたことがある。

藤田氏は「多忙」を理由に面会を拒絶したものの、へずまに住まいを紹介すべく2回も渋谷駅に夜、足を運んで接触を試みた。実際には、路上泊をしていないへずまがいるわけもなく、無駄足となったことはいうまでもない。


■立花党首は苦言

立花党首は、「へずまりゅうがどんな人物か少し調べれば分かることでしょう。お人好しを通り越して『バカ』だと非難されても仕方ない」と苦言を呈する。ホームレス生活がパフォーマンスだったことが分かって以降は、藤田氏はこの問題に沈黙を貫いている。

今回の騒動で分かったことは、へずまの変わらぬ悪人ぶりと「善良な社会福祉活動家」が赤子の手をひねるようにコロリと騙されてしまう不見識だろう。

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(取材・文/France10・及川健二

元迷惑系YouTuber・へずまりゅう、社会福祉活動家を騙す 立花NHK党首も苦言