2月18日(金)に公開される映画『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』の特別映像が公開された。

本作は、ミンスミート作戦の真実が明かされたベストセラー小説を基に、『英国王のスピーチ』でアカデミー賞作品賞を受賞したプロデューサーのイアン・カニング、同作でアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファース、そして『恋におちたシェイクスピア』で同じくアカデミー賞作品賞を受賞したジョン・マッデン監督らが映画化した人間ドラマ。

1943年第二次世界大戦下、何とかナチスを倒したい英国諜報部(MI5)は、とんでもない奇策をチャーチル首相に提案する。高級将校に仕立て上げた死体にニセの機密文書を持たせ地中海に放出し、ヒトラーを騙そうというのだ。この荒唐無稽な作戦は、真実と嘘が表裏一体の世界の中で、MI5の諜報員、ヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込み、各国間の駆け引き、策略、罠、そして裏切り合戦へと発展していく。

重要人物に仕立て上げた死体に偽造文書を持たせ海に放つ、というトンデモ奇策<ミンスミート作戦>の成功の肝となるのは、架空の人物の詳細をいかに作り上げるかという点。ヒトラーを騙すためには、実際にその人物が存在すると思い込ませることが大切であり、人生を想像させる身なりや持ち物が重要な鍵となってくる。



開された映像は、MI5の面々が架空の少佐の人生を妄想で膨らませていく様子が切り取られたシーンとなっている。元弁護士の諜報員モンタギュー(コリン・ファース)、MI5所属のチャムリー(マシュー・マクファディン)、そしてモンタギューの秘書へスター(ペネロープウィルトン)のチームは、架空の少佐を作り上げるための会議を開いている。まずは人物の名前からスタート。

敵が名簿を調べても見つけにくいよう、イギリスによくある名前から、“ビル・マーティン”と名付けられた偽の少佐。識別番号から、着古した戦闘服まで、軍で働いている証拠はぬかりなく準備する。そして細部にまでこだわるへスターは、彼の恋人の存在をつくろうと提案。はじめは「ロマンスは必要ない」と言っていたモンタギューだが、「芸が細かくていい」とノリノリのチャムリーとへスターに私生活を掘り下げることでビル・マーティンの信憑性が高くなることを説得され、「ついていけん」と言いつつ「女性の同僚にスナップ写真を借りよう」と承諾。しかしへスターは女性が「楽しんで陰謀に加担するかも」と予言。ドラマチックな物語を創造することへの好奇心には中毒性があることを示唆する。

まるで小説を執筆するように、架空の人物のイメージを膨らませていくモンタギューたちだが、ジョン・マッデン監督は「本作の根底にあるテーマはストーリー作りなんだ。意識的にそうした」と作品の核心を明かしている。「ひねりのある奇想天外なアイデアで彼らは人々を魅了しなくてはならない。“ストーリーを作って人に何かを信じ込ませる”、これこそ彼らがしたことであり、まさに私の仕事と同じなんだよ」とコメントしており、彼らの奇策が創作活動としての面を持っていることに深いシンパシーを感じているようだ。

『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』
2月18日(金)公開

『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』