2022年2月、どこの国でも、もちろん韓国でも、若者のテレビ離れが加速している。余計なCMまで見るよりも、スマホやパソコンで見たいものだけ見ることができるからだ。

 そんな韓国で、2005年にティム・バートンが作成した「コープスプライド(幽霊花嫁)」がヒットしているそうだ。この映画は実写ではなく、生の俳優陣は登場していない。人形劇風のアニメというものだろうか。ヒロインは、幽霊でももっと太っているだろうにと思われるほど、骨皮筋衛門だ。

 韓国の女性たちはこのヒロインのようになりたいと、ダイエットに励んでいるという。骨に皮が張り付いているほど瘦せていることが、理想だ。このような状態を「骨痩せ」と呼ぶ。実際に骨まで痩せるのは、難病であり、整形で顔のエラの骨を削るとは次元が違う。骨まで痩せたいという願望は、痩せる=体積が減るということではなく、骨を構成する成分がスカスカになって骨粗鬆症になることはできる。これが過度になって、トイレに行くだけでも骨が折れて寝たきりになれば、究極の願望に近くがなるだろうか。

 韓国では、骨痩せを実行している人を、「プロアナ」と呼ぶ。プロアナとは拒食症などの精神疾患ではなく、ライフスタイルとして食べることを拒絶することだが…筆者には十分精神疾患に思えるが。

 まったく食べないわけではない。500mlの牛乳1パック。リンゴ1個。カニカマ1本。牛乳が345キロカロリー、リンゴ138キロカロリー、カニカマが14キロカロリー、一日の総カロリー497キロカロリー。10代~20代の女性が一日必要とされているカロリーは、2100キロカロリーから1700キロカロリー。絶対数が足りないし、栄養素的にも生きているのがやっとという状態だろう。

 しかし、497キロカロリー摂取している女性は大食いらしく、1日300キロカロリー以内に収めるのがコープスプライドへの近道説すら流れている。1回の湯船につかる入浴で300キロカロリーは丸ごと消費できる。

 筆者も若いころそうだったが、ダイエットにはまってしまうと、親や周囲の声はまったく無視になる。幸いというか残念なことに、田舎の丸々とした女子高生は3カ月目くらいで布団から起きられなくなり、祖母にしこたま怒られる。「年頃になったら、しゅーっとするから、なにやってんだ!」と。韓国では、そんな存在の家族はいないのだろうか。逆に協力しちゃう家族が存在するんだろうか。水だけしか飲まない。便秘薬の多服用というダイエット法もSNSで発信されているそうだ。

 若年時の女性が過度なダイエットに落ちいた場合、まず生理が止まる。そして将来的に、妊娠も難しくなる。若年性のがんなども発病する。そして、更年期に陥った時に、しわしわの年寄り、年齢以上に老いて見えるようになる。おそらくだが、エラを切り取る施術をする整形外科医は、足の骨なども削ぐ方法で整形施術をしそうなお国柄だ。幽霊花嫁、そう、花嫁になる前に、幽霊になり、カロリーもない幽霊はこの世にすら出てこられない。

 アニメキャラと、人間は違うことを、政府が舵を取ってきちんと啓蒙していく。新大統領が公約にしないだろうか…。

ダイエットのイメージイラスト