お笑いコンビ・ニューヨークの屋敷裕政は、芸人になる前にテレビ制作会社のAD(アシスタントディレクター)として勤務した経験を持つ。ハードワークで人の入れ替わりも激しいと言われるADだが、屋敷がYouTubeチャンネルで当時の思い出を回顧すると、その内容に共感する現役ADや経験者からの声が相次いだ。

ニューヨークのYouTubeチャンネル『ニューヨーク Official Channel』で15日に配信した動画では、嶋佐和也新型コロナウイルスに感染し療養中だったため屋敷裕政が1人で登場した。屋敷はかつてバラエティ番組の制作会社に勤務し『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)やネプリーグ』(フジテレビ系)など人気番組を担当していたが、がむしゃらに働いていたという時期に思い出に残った出来事について振り返った。

その中で飛び出したのが、「フジテレビの偉い人に死ぬほどキレられる」思い出だった。これは以前、屋敷が受けたインタビューでも語ったことだが、『ネプリーグ』を担当していた際に出演ゲストの紹介VTRを作成するため同局の他番組から映像を拝借することが多々あり、そのためにはさまざまな部署の“偉い人”から許可のハンコをもらう必要があった。その数は7個にも及んだが「7個のハンコが揃うまではフジテレビから出られない」決まりだったそうで、屋敷らADたちは他の仕事と並行しながら1日~3日かけて責任者を探し続けていたのだ。

そんな中、あるバラエティ番組のプロデューサーに映像使用の許可をもらいに行くと、後ろに映っていた女性の右足にまで「本人に許可をとったのか?」と詰め寄られることに。これに気が動転した屋敷が答えに詰まっていると突如そのプロデューサーにブチ切れられたそうで、あまりの衝撃に屋敷は「音とか一切聞こえない」状況からついには記憶を失ったという。次に記憶が戻ったのは制作会社のスタッフたちと話し合いが行われている会議室で、その記憶は未だに戻っていないとのことだ。

最終的には会社の偉い人まで巻き込み謝罪に行ったそうだ。かなり理不尽な出来事のようにも思えるが、これに共感したのが同じ仕事を経験した人たちだった。現役ADだという視聴者が「リアルすぎて心臓痛くなった…」「親近感しかないです」とコメントすると、かつて同職に就いていたという人からも「ADやればこの先どんなきついことも耐えられる自信つきます」「自分もAD時代の記憶辛すぎてない」などの声が相次いでいた。

他にも番組のために「ゾウが入れるプール」を探したり、移動中に事故に遭ったりと波乱のAD時代を振り返った屋敷。彼がADとして働いたのはおよそ1年間と決して長くはないが、それでも同時期に入社したADのほとんどが残っていなかったというからかなり過酷な現場だったのだろう。それでもそこで出会った仲間とは強い絆が生まれたようだ。一番の思い出は同期と屋上でビールを飲んだことで、彼らとは現在もグループLINEで連絡を取り合う仲だと語っていた。

ちなみに現在ではADという名称変更や勤務内容の改善など、彼らを取り巻く環境は変わり始めている。『ニューヨーク Official Channel』に関わっている構成作家の奥田泰氏も、自身のツイッターで「昔の話です! 今はとてもいい時代になりました! 寝れるし殴られないのに芸能人に会えますよ!」と呼びかけていた。屋敷も動画の最後には「IVSテレビ、ホントに良い会社でございますので」「興味ある方は入社してください」と会社名まで出しており、かつての苦労も今となってはいい経験になっているようだ。

画像は『映画『ちょっと思い出しただけ』公式 2022年2月10日付Twitter「#ちょっと思い出しただけ」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 根岸奈央)

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