デル・テクノロジーズ株式会社(以下、デル)は2月8日、オンライン新製品発表会を開催した。多くの新製品が発表されたなかで、今回は特にコンシューマ・法人向けに展開されたノートパソコンについての詳細をレポートする。

AMDは今年も力強くPCメーカー/ユーザーにコミットしていく

 始めに登壇したのは日本AMD株式会社コンシューマ事業部ナショナルセールスマネージャーの土子秀人氏だ。土子氏は「2022 AMD Ryzen モバイル・プロセッサー 製品ポートフォリオ概略」と題した発表を行い、今年の自社プロセッサの販売について展望を語った。

 グローバルのPCカテゴリにおける市場がこの数年で大きく成長していることに触れ、AMDもそれに伴った成長を続けているという。

 今年の頭に行われた『CES 2022』の発表にも改めて触れ、「引き続き力強い製品ロードマップをコミットし、特に成長著しいノートブックの分野においてもライトユース、SOHO、ゲーミング、ビジネスからクリエイティブまで、様々なPCメーカーの製品づくりを支えるべく、今後も最新のテクノロジーを投入していく」と力強く展望を語った。

 最後に発表された製品ポートフォリオでは、今回発表されるデル社のノートブックRyzenモバイルプロセッサシリーズ・低電圧版のUシリーズを採用することに触れたうえで、「今年投入するプロセッサのすべてのコアはZen3ベースで設計されており、PCメーカーが想定するあらゆるユーザーの用途に応じた製品づくりを支援できる製品群である」と紹介した。

・デルの個人向けノートブック「Inspiron」シリーズがアップデート Ryzenも選択可能に

 続いて登壇したのはデル・コンシューマー営業統括本部Notebook Product Go To Marketシニアマネージャーの暮石龍生氏。デルでは昨年11月に発売されたWindows 11の導入に力を入れており、市場平均を大きく上回る速度でWindows 11プリインストール製品の構成比を高めているという。

 「今後もあらゆる技術・体験をいち早くお客様に提供していきたい」と語り、今回新たに発表するAMD最新プロセッサを搭載したコンシューマ向けノートブック「Inspiron」シリーズの紹介へと続く。

 デルがコンシューマ向けに投入しているノートブックにはプロフェッショナルなユーザーに向けた「XPSシリーズ」と、生活の中で使うことを想定した「Inspironシリーズ」の2ラインがあり、大きさも13インチから17インチまで幅広く、プロセッサもIntel・AMDから選べたりなど、豊富な製品が展開されている。

  なかでも今回新製品が投入されるのは、Inspironシリーズのカテゴリにおける3製品「Inspiron 14ノートパソコン」、「Inspiron 14 2-in-1ノートパソコン」「Inspiron 16ノートパソコン」だ。

 「Inspiron 14ノートパソコン」、「Inspiron 14 2-in-1ノートパソコン」はプロセッサの変更に合わせてデザインを刷新し、今回新たな姿での登場となる。「Inspiron 16ノートパソコン」については15インチで展開していた製品をリファインし、より大きなディスプレイで映像やコンテンツを楽しんでもらえるよう投入したという。

 いずれの製品もプロセッサにRadeonグラフィックスを内蔵したAMD Ryzen5000シリーズを選択でき、Wi-Fi 6に対応。ビデオ通話に便利な高画質FHDカメラも備えるほか、先立ってXPSシリーズに投入して好評を博した16:10のディスプレイパネルを搭載、使い勝手が向上している。これまでのInspironシリーズで好評だったデュアルマイクロフォン、指紋認証リーダーなどのテクノロジーも引き続き採用されており、安心して使える十分なスペックを持っている。

 また、低VOC水性塗料の採用、ヒンジキャップには再生可能資源を、梱包トレイには100%再生紙を使用するなど、環境への配慮も考慮された製品であるということだ。

・ 法人向けノートブック「Vostro」の新モデルも発表

 発表会では法人向けモデルの新製品についても発表がなされた。スモールビジネス営業統括本部コンサルタントの稲村陽氏が登壇し、中小企業向けの「Vostro」シリーズにおける新製品「Vostro 5625 16インチ ノートPC (AMD)」を発表した。

 軽量化を図りながらもInspironシリーズにも採用された16:10のディスプレイを搭載。薄型・大画面を実現したほか、多様な環境に対応する防滴キーボードにはテンキーも付いている。高精度のタッチパッドやFHDカメラ、有線LAN端子を備えており、稲村氏は「ビジネスシーンにおいて安心して快適に使えるユーザーエクスペリエンスを実現した」と語る。パワフルな環境をオフィスはもちろん、社外にも持ち出せる魅力的なノートブックだろう。

 また、「ビジネスシーンにおいてはセキュリティハードウェアの信頼性が特に求められる」として、プライバシーメカシャッター、ハードウェアベースでのTPM2.0暗号化技術を採用、指紋リーダーのオプションも用意している。ハードウェアの信頼性についても、米軍の品質基準であるMIL規格(MIL-810H、15項目)に準拠する形で落下試験・ヒンジ試験・温度試験などの厳しい試験をクリアしたモデルだとアピールした。まさにユーザーの「安心」に寄り添うモデルだといえる。

 発表会に出てきた製品群は、いずれもユーザーの用途に寄り添い、先回りして解決策を提示するような”親切さ”を持つモデルであると感じた。本体を実際に触り、その設計思想を感じてみたくなるような発表会だった。AMDのロードマップも刺激的な内容で、以後の続報に期待が高まるところだ。(文:リアルサウンド編集部)

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