NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT-AT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:木村丈治)は、2022年3月から独HP Spectroscopy GmbH(以下:HP Spectroscopy社、本社:バーデン=ヴュルテンベルク州マンハイム、経営パートナー:Rainer Horlein, Jens Rauschenberger)社製の分光機器および撮像機器を活用した分光ソリューションの提供を開始します。

HP Spectroscopy社の分光機器および撮像機器は、VUV・EUV・軟X線領域での光物理基礎研究、物性応用研究、産業応用研究など、幅広い分野で用いられてきました。

現在、NTT-ATが製造・販売するVUV~軟X線領域での光学素子に加えてHP Spectroscopy社の装置群をラインナップすることにより、さまざまな分野での研究開発課題の解決に貢献するソリューションを提供いたします。
1.提供開始の背景

VUV(Vacuum Ultraviolet:真空紫外)・EUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外)・軟X線と呼ばれる波長領域の光は、物質科学や超高速科学、また、半導体製造への応用などさまざまな分野で用いられています。こうした応用分野の広がりに合わせて世界中で光源装置や観測機器の研究開発が進められてきました。しかしながら、装置開発や素子開発のみならず物理・化学現象の解明や産業化への課題解決へと研究開発分野が拡大しているにも関わらず、研究開発の現場では分光機器をはじめとする装置類の設計や製作に多くの時間を費やす場合もあります。

NTT-ATは、これまでVUV・EUV・軟X線領域での光学素子の提供を通じて、光源研究や応用研究のサポートを行っており、今回、HP Spectroscopy社の小型で高感度な分光機器や撮像機器を新たにラインナップすることにより、この波長領域における研究開発分野、特に高次高調波発生*やその応用に関する研究開発のサポートを強化し、関連分野の研究開発課題の解決に貢献してまいります。

2.HP Spectroscopy社製装置について


HP Spectroscopy社の最も高性能なフラットフィールド分光器であるmaxLIGHT proシリーズは、回折格子を選ぶことで1 nmから200 nmまでの帯域幅での分光スペクトルを取得できます。また、入射スリットを持たない設計により、標準的な入射スリット付き分光器と比較して20倍以上の効率を得ることができます。この分光器を用いて、欧州や北米の多くの研究機関で、アト秒観測を含む多くの高次高調波観測実験が行われています。

その他にも、波長帯域や分解能、設置位置などに応じて各種の分光器をラインナップし、お客様のニーズに合わせた提案が可能です。

また、撮像装置として裏面照射型と表面照射型の2種類のCCDカメラ(maxCAM, easyCAM)をラインナップいたしました。ピクセルサイズ26 μmの標準品の他、ピクセルサイズ13μmのカスタム品も提供いたします。 ICF63インターフェースを採用したことにより、実験系の省スペース化を実現します。また、HP Spectroscopy社のすべてのCCDカメラはイーサネットポートを内蔵しています。これは多くのユーザーが望んでいるにも関わらずほとんどの競合製品には見られない特徴です。

さらに、MCP/CMOSカメラやXAF装置、高次高調波発生源の提供も行います。

3.提供開始日本国内)
2022年3月

4.提供価格
ご提供価格は、その都度お客様所有の機器や実験系に応じて最適なご提案でお見積りいたします。

5.今後の展開
NTT-ATは、HP Spectroscopy社の分光装置・撮像装置などの提供に加え、導入のサポートやNTT-ATが保有する光学部品と組み合わせたソリューションの提供を通じて、お客様の研究開発環境構築を支援してまいります。


HP Spectroscopy社 会社概要】
HP Spectroscopy社は2012年に設立され、世界中の学術界・産業界にVUV領域から軟X線領域にわたる分光ソリューションを提供しています。分光技術・光学設計・プラズマ物理学・ビームライン技術・X線技術などのさまざまな分野の専門家に加え、機械・電子機器・ソフトウェアのエンジニアで構成される専門家集団として、世界中の研究機関と緊密に連携し、この波長領域における分光測定技術を推進しています。


*高次高調波発生
高強度のレーザーパルスをガスや固体材料に照射した際に起こる非線形現象であり、入射レーザー光の整数倍の周波数を持つ光を放出する。この過程で発生した光は元のレーザーパルスの特徴を引き継いでおり、コヒーレントなEUV光源として、物性科学・アト秒科学・半導体検査応用などに応用されている。

配信元企業:エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ