障がいや年齢などにかかわらず、子どもから大人まで、全ての人が舞台芸術に参加し楽しめる「共生共創事業」の公演作品の1つとして、ドキュメンタリー映画「ここに、 いる。~分身ロボットと創る『星の王子さま』~」、朗読劇「星の王子さま」の2作品を、神奈川県公式 YouTube チャンネル「かなチャンTV」にて無料でオンライン配信しますので、是非御自宅でお楽しみください。
神奈川県では、文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出す、マグネット・カルチャー(マグカル)の取組を通じて、共生社会の実現を後押ししています。
なお、本事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じております。

【公開日】
OriHimeプロジェクト
リーディング「星の王子さま」 2022年3月上旬
ドキュメンタリー「ここに、いる。~分身ロボットと創る『星の王子さま』」2022年3月上旬
【配信】かなチャンTV(神奈川県公式Youtubeチャンネル)
【料金】無料
【原作】サンテグジュペリ
【翻訳・構成】池澤夏樹(絵本『星の王子さま集英社刊)
【リーディング 脚色・演出】藤原佳奈
【ドキュメンタリー 監督】大金康平

【出演】
石川瑠華
OriHimeパイロット(きよ、うーさん、まさこ、優羽、イトさん、Akane、ユキウサギ、みちお、みか、やまもとよりこ、ちい、ことのは、なおき、さえ)

【演出助手】
OriHimeパイロットさえ

【概要】
身体障がいやご病気などで外出が困難な方が分身テレワークで働き、社会の中で役割を持てるようになることを目的に開発された分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)。
カフェでの接客や官公庁での受付業務など、自宅に居ながら社会参加が可能となり、導入事例が年々増え続けています。

共生共創事業では昨年度、身体表現性障害を患い外出困難なさえさんがOriHime を通じて出演する朗読劇作品『ちいさなちいさな王様』を制作・公開。外出困難者と俳優が同じ画面上に共演するという世界初の試みは、共同創作の新たな可能性を見出す大きな一歩となりました。

今年度はOriHimeを介して演じるということに更にスポットを当て、映像作品に出演するOriHimeの操作者‘パイロット’たちの姿や、作品完成までの様子を追うドキュメンタリーとリーディング作品の二本立てで発表いたします。

ドキュメンタリーを監督したのは、前作「ちいさなちいさな王様」を演出・撮影した映像作家・大金康平。 リーディング作品の演出は、演劇家の藤原佳奈が担当しました。

リーディング原作は、初版以来300以上の国と地域の言葉に翻訳され、世界中で愛されている『星の王子さま』。
原作の代表的な言葉でもある「かんじんなことは目では見えない」という大切なメッセージを様々な事情で外出が難しいOriHimeパイロットたち14名が、俳優石川瑠華と共に紡ぎ、皆さまに届けます。

気鋭の俳優・石川瑠華と、さまざまな事情で外出困難な14人のパイロットたちによる、距離とからだの壁を越えた表現の記録にご注目ください。
≪OriHimeとは?≫
OriHimeは、身体的問題や、単身赴任・入院などにより、外出困難な人のための“分身”ロボット。高さ約23cm、重さ約660gという小型ロボットながら、スマートフォンやタブレット、PCから遠隔・無線で操作することができ、操作者はOriHimeを通して、人と会うことや、テレワークで働くことができる。視界は103°と広く、720pの高解像度リアルタイムで視聴可能だ。またOriHimeは操作者の声を伝えるだけではなく、手を振る、両手を上げる、頭を抱えるなどのボディランゲージで感情を表現することもできる。




≪『星の王子さま』のものがたり≫
砂漠の真っ只中に不時着した飛行士の前に、不思議な少年が現れる。 故障した飛行機を修理できなければ、一週間と命がもたないという極限状態の中で、少年は飛行士のぼくに「ヒツジの絵を描いて...」と話しかけてくる。 少年の話から、彼はちいさな星の王子さまであることが分かり、次第に彼の真実が明らかになっていく。
集英社刊 絵本『星の王子さま』HPより抜粋)

ドキュメンタリー映画
「ここに、いる。~分身ロボットと創る「星の王子さま」~」あらすじ
予告編:
https://youtu.be/YXHSakYKLrI(2022.2.11~配信中)





リーディング作品『星の王子さま』の制作過程に密着したドキュメンタリー映画。
「OriHime パイロットのリーディング出演オーディション」を実施。当初4人程度のキャストを想定していたが、オーディションの結果、参加した14人の候補者全員の出演を決定。俳優・石川瑠華も合流し、OriHime を相手に初めての稽古が始まる・・・。 これは、分身ロボットという「からだ」を通して、「ここにいること」について思考した彼らの、4ヶ月間の記録である。

≪出演者プロフィール≫

飛行士:石川瑠華 いしかわるか
埼玉県出身。2017年舞台『SUGAR WORKS』でデビュー。映画では2019年『イソップの思うツボ』主演、2020年『猿楽町で会いましょう』(第2回未完成映画予告編大賞グランプリ、小原信次賞受賞作)主演、2021年『うみべの女の子』でダブル主演を務める。また、テレビドラマでは2020年フジテレビ系『13 サーティーン』、2022年TV東京『つまり好きって言いたいんだけど』、舞台では2021年二兎社特別企画 ドラマリーディング3『振り返る人たち』(永井愛構成・演出)に出演するなど、各方面で活躍中。



OriHimeパイロット(きよ、うーさん、まさこ、優羽、イトさん、Akane、ユキウサギ、みちお、みか、やまもとよりこ 、ちい、ことのは、なおき、さえ)












王子さま:きよ
2021年1月よりOriHimeパイロットとして働く。cafeツムギstation at Yokohama Kannai、モスバーガーでの接客業務、第48回国際福祉機器展にてOriHimePorterのPRを務める。脳脊髄液減少症で長く起きあがっているのが困難な為、外出や一般の就労がなかなかできずOriHimeを使用している。

花:うーさん
2021年6月より分身ロボットカフェDAWN verβで勤務。第24回文化庁メディア芸術祭受賞作品展のアテンド、青森物産展の売り子、ResorTech沖縄 NTT docomoにてプレゼンを行うほか、2021年9月号 BRUTUSで作家の岸田奈美さんとの対談や、YouTubeLiveSMBC Tag!Meet」へ出演するなど積極的に活動している。家族の都合で転居の多いワンオペ育児を続ける中、孤独やストレスを抱えたことで心臓を患ったためなかなか定職に就くことが難しかったが、OriHimeで10年ぶりに仕事をしている。

キツネ:まさこ
2020年8月SMA MonthにOriHimeで登壇、同年12月小学校でOriHimeでの講演、2021年3月よりcafeツムギstation at Yokohama Kannai、6月より分身ロボットカフェDAWN verβ、8月よりモスバーガー大崎店で働く。
生まれつきSMA (脊髄性筋萎縮性)で、電動車いすで全介助が必要な生活を送る。特に呼吸機能が脆弱でコロナウィルスに感染すると重症化リスクが非常に高く、外出できない状態が続いているため、OriHimeで新たな社会参加の形を模索している。

ヘビ:優羽
2021年の分身ロボットカフェDAWN verβにて、OriHimeパイロットデビュー。3年前から突然発症した進行性希少神経難病の為歩行障害があり、OriHimeを使用している。占い師としてカフェで活躍する一方、アマチュアカメラマンとして表現の場を広げている。

王様:イトさん
2021年6月OriHimeパイロットデビュー。ドイツのリンツで行われた「アルスエレクトロニカ2021」にてOriHimeを介した英語でのコミュニケーションに参加。第24回文化メディア芸術祭受賞作品展にてOriHime、OriHime-Dで作品案内や店舗紹介を行う。前職のスキルを活かし分身ロボットカフェ2021ハロウィンイベント企画有志メンバーに応募、イベント企画やグッズ製作に携わる。進行癌で骨転移による骨折リスクにより杖と車椅子使用、また免疫が低下しており、コロナやその他の感染症への感染を防ぐため外出が困難で、OriHimeを利用している。

うぬぼれ:Akane
2019年10月、期間限定の分身ロボットカフェでパイロットデビュー。2020年9月からモスバーガー大崎店、2021年2月からcafeツムギstation at Yokohama Kannai で勤務。2021年9月tvk「ハマナビ」でcafeツムギstationの取材でOriHimeパイロットとして出演。慢性疲労症候群で、倦怠感や身体の痛みなど、365日絶え間なくインフルエンザのような症状が続いている。座位を含む身体を起こした状態を長く続けられないこと、また気温や湿度、気圧などが体調に影響することで外出が困難なためOriHimeを活用している。

大酒飲み:ユキウサギ
2021年9月より OriHime パイロットとして就業。生後すぐからの疾患と原因不明の諸症状のため活動に制限が生じ、外出困難な状況が断続的に続くためOriHimeを活用している。長い年月を社会と殆ど関われずにいた影響からか会話にぎこちなさが残るが、ミュージカルや絵本の読み聞かせ等の体験を思い起こし、演技に臨んだ。

実業家:みちお
2019年10月にOriHimeパイロットデビュー。カフェでの接客をメインに、展示の説明やウェビナーの冒頭のナレーション等で活躍している。身体表現性障害(身体症)という疾患があり、雑踏や匂い、音などに過敏に反応してしまうため長時間の外出が難しく、OriHimeを利用している。

点灯夫:みか
2018年からOriHimeパイロットとして働く。神奈川県庁、平塚市役所、オリパボランティア、展示会、ワークショップなど様々な場所で活躍している。全身の筋肉がだんだん動かなくなる病気、ALS筋萎縮性側索硬化症)を患い、日常的に介助が必要。外出が難しくOriHimeを通して就業している。

地理学者:やまもとよりこ
2019年 第2回分身ロボットカフェよりOriHimeパイロットとして働き始める。第24回文化メディア芸術祭受賞作品展に参加。
第2回分身ロボットカフェでのご縁で、前職のSEとして経験を活かしMicrosoft社にてアクセシビリティの検証業務に従事している。
2014年に重症筋無力症という難病を発症し全身の筋肉に力が入りにくくなり介助が必要となったため、OriHimeを利用している。

バラA:ちい
2021年6月から分身ロボットカフェDAWN ver.βにて勤務を始める。第24回文化メディア芸術祭受賞作品展にてアテンド業務を行う。筋強直性ジストロフィーを中途発症し、屋外道路を補助具なしで歩行することが困難。また筋強直発作(何かの刺激で小さな筋肉の収縮が止まらなくなる症状)が起こることがあるため全身の様子を見ながらの行動となり、外出しにくくなったため、OriHimeの利用を始めた。

バラB:ことのは
2021年9月から分身ロボットカフェDAWN ver.βでパイロットとして働く。第24回文化メディア芸術祭受賞作品展に参加。鬱と偏頭痛の症状が強く、一般職での長時間勤務が困難なためOriHimeを活用して就業している。

バラC:ナオキ
2021年6月よりOriHimeパイロットとして活動している。第24回文化メディア芸術祭受賞作品展でのトークショーに参加。重症心不全により補助人工心臓を装着しており24時間介助者が必要。一人での外出が困難なためOriHimeを利用している。

演出助手/バラD:さえ
2018年にOriHimeパイロットとしての活動を開始。蔦屋書店書店員、神奈川県庁受付、分身ロボットカフェ勤務、また小学校・幼児施設での絵本読み聞かせや市原悦子追悼朗読会に出演するなど、活躍の場を広げる。2020年度共生共創事業プロデュース「リーディングシネマ『ちいさなちいさな王様』」では主人公の王様役を務める。15年ほど前から身体表現性障害という病気を患い、24時間吐き気やめまいの症状が続くため、外出が困難なためOriHimeを活用している。

≪スタッフ プロフィール≫
リーディング脚色・演出:藤原佳奈 ふじわらかな
演劇家。“身体から思考し、時間の結び目を創る”
ことを演劇と捉え、場所や分野を横断しながら活動している。近年携わったものは、とよはし芸術劇場 高校生と創る演劇『Yに浮かぶ』テキスト・演出(2020)、KAAT 視覚言語がつくる演劇のことば『夢の男』テキスト・演出(2021)、
AUDIO GAME CENTER+『幽霊のいるところ』ゲームデザイン・テキスト(2021)。野楽プロジェクト『あさまごと』(2021)等。





ドキュメンタリー 監督:大金康平 おおがねこうへい
映像作家。1992年生まれ。栃木県出身。日本大学藝術学部映画学科監督コース卒業。中学生の頃から短編映画作りに取り組み、大学在学中は役者として、演劇作品への出演も経験。2017年にショートフィルム「校庭の轍」で第1回 池袋みらい国際映画祭の一般審査員賞、2018年にショートフィルム「那須野が原の花火」で第3回 未完成映画予告編大賞・小原信治賞を受賞。Eテレシャキーン!」「ごちそんぐDJ」「グレーテルのかまど スピンオフドラマ」、コブクロ「卒業」MVなど、子ども向け番組やミュージックビデオの演出・撮影も手がける。「映像作家100人 2018/2019」に選出。2020年度共生共創事業プロデュース「リーディングシネマ『ちいさなちいさな王様』」監督。



【スタッフ】
原作:アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ
翻訳・構成:池澤夏樹(『絵本・星の王子さま集英社刊)
リーディング脚色・演出:藤原佳奈
ドキュメンタリー監督:大金康平
映像制作:株式会社レゾナージュ
美術・OriHime衣裳:園田あけみ
音楽:角銅真実
スタイリスト:岩渕真希
ヘアメイク:池田奈緒
OriHimeマネジメント:濱口敬子

協力:オリィ研究所、ソニー・ミュージックアーティスツ
主催:神奈川県
企画製作:(公財)神奈川芸術文化財団

詳細はホームページをご覧ください。https://kyosei-kyoso.jp

神奈川県が取り組む「共生共創事業」
神奈川県では、「ともに生きる社会かながわ」の実現に寄与するため、文化芸術の分野においても、
「ともに生きる ともに創る」を目標に、年齢や障がいなどにかかわらず、子どもから大人まで
全ての人が、舞台芸術に参加し楽しめる「共生共創事業」を実施しています。
※本事業は、神奈川県より公益財団法人神奈川芸術文化財団が委託を受け、製作・運営を行います。


配信元企業:公益財団法人神奈川芸術文化財団

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