◆■湘南ベルマーレ

【プラス材料】
 昨年9月より指揮を執った山口智監督のもとでJ1残留を果たした湘南ベルマーレは今季、指揮官を始め多くのメンバーがチームに残った。加えて、経験豊富な選手を含む12人の才能を新たに迎え、昨季からのさらなる上積みが期待される。

 今季掲げた5位以内という目標に向け、求められるのが得点力の向上だ。その点、個々の特長を融合させながら攻撃のバリエーションを幅広く培っていることがうかがえる。

 ミッション達成のためにも、昨季終盤戦で取り戻した躍動を初戦から結果につなげたい。

【マイナス材料】
 開幕戦で迎える柏レイソルとの通算対戦成績は11勝8分19敗、ホームでは6勝2分10敗と分が悪い。昨季も2戦2敗、JリーグYBCルヴァンカップは2分とシーズンをとおして勝てなかった。

 リーグ戦で喫した2敗の内容も気になるところだ。いずれも複数失点を喫し、6月のホーム戦では試合終了間際に3失点して逆転負けする苦汁もなめた。柏は新加入のFWドウグラスを始め長身の選手が多く、セットプレーにも気をつけたい。

 ここ2年開幕戦を落としているが、今季はいかに。

文:隈元大吾

◆■柏レイソル

【プラス材料】
 11日に行われたプレシーズンマッチ『ちばぎんカップ』ではジェフユナイテッド千葉を1-0で下した。FW細谷真大との連係からFWドウグラスが決勝点を決め、MF中村慶太もMFマテウス・サヴィオやDF大南拓磨と絡んで攻撃にリズムをもたらすなど、新戦力が早くも存在感を示した。

 昨季は極度の得点力不足に陥り、ビルドアップでは手詰まりになる課題を抱えていたとあって、ドウグラスと中村は今季のキーマンになりそうだ。

 試合終盤は千葉に押し込まれたが、無失点に抑えた守備も評価していいだろう。

【マイナス材料】
 気がかりなのはキャンプで予定されていた練習試合が相手の事情によって中止となり、開幕に向けて試合勘とコンディションを取り戻す作業に遅れが出てしまったことだ。『ちばぎんカップ』の千葉戦でも選手のコンディションにバラつきがあり、試合終盤には足をつる選手も出ていた。開幕戦までにコンディションを上げられるかが問われる。

 また、経験のあるFW武藤雄樹と新戦力のMF小屋松知哉、レギュラー格の2人が負傷の影響で出遅れているため、開幕戦の出場は微妙だ。

文:鈴木潤

[写真]=兼子愼一郎、森優斗