◆■名古屋グランパス

【プラス材料】
 長谷川健太監督体制1年目のフレッシュな印象がそのままプラス材料だ。今季が始動してからというもの、若手からベテランまでが本当に生き生きとプレーしている。

 新指揮官は過去2年で積み上げた守備力を維持しつつ、重心を前に、攻撃を活性化する方向性でチームをリノベーション中。とりわけ前線が好印象で、最前線で激しくポジションを争うFW金崎夢生とFW酒井宣福、2列目ではMF仙頭啓矢の加入によってリズムがかなり多彩になりそうだ。

【マイナス材料】
 ただ、沖縄キャンプ中にチーム内で新型コロナウイルス感染症の罹患者が出たことにより、プレシーズンの練習が約1週間ほど休止したことは不安材料ではある。

 特に不安なのが実戦経験の少なさで、沖縄キャンプで1試合、開幕1週間前に実質的に1試合をこなしたのみ。戦術面の落とし込みは十分とは言えない状況で、どこまでのものが開幕戦のピッチに描けるかは選手たちにとっても未知数な部分がある。

文:今井雄一朗

◆■ヴィッセル神戸

【プラス材料】
 昨季はJ1でのクラブ史上最高となる3位で終えた。三浦淳寛監督が続投する今季は初のリーグ制覇も現実味が出てきた。当然、プラス材料も多い。

 まずは主力選手がほぼ残留し、安定した戦いを見せられる点は好材料。11月のワールドカップの影響で日程が前倒しとなった開幕戦を、昨季とほぼ同じメンバーで戦えるメリットは大きい。

 また、各ポジションの選手層が厚くなった点も見逃せない。最終ラインにDF槙野智章、中盤にはMF扇原貴宏、MF汰木康也と個性の違う即戦力を補強。昨夏に加入した選手たちと合わせ、戦力は大幅にアップした。

【マイナス材料】
 オフの補強に成功し、これといったマイナス材料はない。唯一の懸念材料はDFトーマス・フェルマーレンが抜けた最終ラインか。

 新加入の槙野を始め、DF小林友希やDF大﨑玲央などセンターバックの頭数は多いが、フェルマーレンの代役はそう簡単ではない。MFアンドレス・イニエスタやMF山口蛍らと同じく替えの効かない選手だっただけに、抜けた影響は未知数だ。

 また、1月17日のチーム始動日から約1カ月という短期間で、新加入選手がどこまでチームにフィットしているかも気になるところ。特に扇原と汰木が加入した中盤は布陣も含めてメンバー構成が悩みどころになりそうだ。

文:totoONE編集部

[写真]=兼子愼一郎、鈴木颯太朗