俳優の柴咲コウ2月18日、都内で行われた短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライ アーフィルムズ) Season2」公開初日舞台あいさつに、Azumi Hasegawa氏、駒谷揚氏、志尊淳、柴田有磨氏、山田佳奈氏、山田孝之とともに登壇した。

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本作は、伊藤主税氏(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト。

成人式2回目の歳で初体験

貧困や孤立など現代社会に潜む闇が徐々に映し出されていく「巫.KANNAGI」で監督デビューを果たした柴咲は、「成人式2回目の歳で初体験できてめちゃくちゃうれしいというのが正直な感想です」と声を弾ませ、「20年以上お芝居をしてきて、いろんな監督の手腕を間近で見させてもらいながら、なんで挑戦してなかったんだっけって逆にそこが驚きで、山田くんに声掛けしてもらえたのがうれしかったです」と笑顔を見せた。

また、物語はどう紡ぎ出したのか尋ねられると「忙しい時期だったので、原案は北村龍平監督にお手伝いしていただきつつ、細かいところや流れは自分でも本をいじりながら少しずつ作っていきました」と返答。

「自分がずっとこの世の中を生きてきて、疑問だったり矛盾だったり、私の人生においてはあまり関係のないことかもしれないんですけど、同じときを生きていていろんな壁にぶち当たっている人っているよなって。それをただ他人事で済ませるんじゃなくて、そこを題材にして1本の作品が作れたらいいなと思ったので、それがベースになっていますね」と熱く語った。

■作品のキーワードは“孤独との対峙”

さらに、同舞台あいさつでは常に「柴咲監督」と呼ばれ、最後にMCから「柴咲コウ監督、メッセージをお願いします」と声を掛けられると、「柴咲コウ監督って言われるのは純粋にうれしいです。ありがとうございます」と頬を緩めた柴咲。

「今回作った作品のキーワードは“孤独との対峙”なのかなと思います。自分の人生を生きてきて、孤独を感じることもあって、歌詞とかにもよく出てくる言葉が“ひとり”だったり、自分と向き合うことをずっとしながら生きているんですけど、他者と生きているのがこの世の中で、なかなか自分以外の人に思いを馳せることも一生懸命生きていればいるほどできなかったりして、でもそういうモーメントは貴重で大切な瞬間だなと思い、今回は自分と違う生き方をしている方に焦点を当てて作品を紡いでみました」と改めて作品を紹介。

「皆さんがどう解釈されるか楽しみなので、どこかでレビューとかも聞かせてもらえるとうれしいです」と呼び掛けた。

◆取材・文=風間直人

柴咲コウ /撮影:風間直人