キャリコネが4月30日に配信した「悪いのは会社か、新人か? 残業代を気にすると『モンスター社員』呼ばわり」という記事には、ニコニコニュースで960件を超えるコメントが寄せられた。

記事は、テレビ番組の「モンスター新人」特集を紹介。旅行代理店が全社員から企画を募集し、採用されると新人でもプロジェクトリーダーになれると発表したところ、新人の1人が「企画書を作る時間って、残業代出ますか?」と尋ねたという。

基本を知らない新人に「新しい発想」を求めていないか

番組は、この新人を「モンスター」扱い。出演者が「信じられない」とばかり笑いものにしていたが、ニコニコニュースのコメント欄には、読者からの批判が噴出した。

「残業代を気にする事を非常識とする考えは、単に都合の良い事を常識にしたいだけじゃないのかと思う」
「ちゃんと確認取っておかないと、ただ働きさせるような企業だってあるんだから」

また、「残業しなきゃいけない量の仕事を新人に振る上司が無能」という指摘もあった。入社したては、仕事が遅いのが当たり前。通常の業務時間内にこなせない仕事をやらせようとする上司こそ「モンスター上司」だという声も多数あった。

「正直、新人社員に企画書を作らせるのが間違ってると思う。まずは(仕事に)慣れるまで定時、慣れてきたら残業、仕事が早くなってきたら重要な仕事(という順に与えるべき)」

会社や仕事の基本を知らない新人に過剰な期待を寄せて、「新しい発想力で企画を出せ!」「革新を起こせ!」と煽っても、たいがいうまくいかないものだ。いきなり無責任な「無茶ぶり」をせず、就業時間中にこなせる基本業務を与えるべきという意見にも説得力がある。

「一日で仕事を覚えろ」と要求する上司も

しかし理想に反して、新人に「無茶ぶり」をする上司はやはり一定数いるようだ。マイナビニュースの会員500人を対象に行ったアンケートによると、約17%が「先輩から新人への無茶ぶり」を見たことがあると回答している。寄せられたコメントからは、困った上司の実態が垣間見られる。

「一日で仕事を覚えろ」(医療・福祉)
「仕事がものすごくあるのに、残業をするなといわれた」(学校・教育関連)
「これを明日までによんで感想聞かせてと、新人に規定を読ませていた」(電機)
「いきなり事業ひとつ引き継ぎ」(団体・公益法人)
「何もわからないのに『適当にやっといて』」(金融・証券)

上司は早く仕事を覚えてもらいたいと考えて、いろんな仕事をやらせるのかもしれない。しかし、ムリに詰め込んでしまっては、仕事を受けた方も混乱したり潰れたりして、本来の目的を果たすことができない。

「新人はコストに見合う成果を上げていないのだから、言われたことは何でも素直に受け入れるべき」というコメントも散見されるが、誰だって最初は仕事ができないのは当たり前。最初の数ヶ月は、余裕を持った育成期間と考えるべきだろう。

ニコニコのコメント欄には、「新人の教育に支払うコストが無駄だと思ってる経営者が多いので、こんな話が増えるのだろうか?」と嘆く人もいた。

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