連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)でひなた憧れの女優・美咲すみれを演じる安達祐実より、インタビューコメントが到着。出演への思いや共演者の印象などについて明かした。

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同作は、昭和・平成・令和の時代を、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代の女性の物語。戦争で夫と死に別れ、娘を置いてアメリカに渡るしかなかった祖母・安子を上白石萌音が、親と英語を憎みつつも、ジャズソングに救われて自分の人生を切り開いた母・るいを深津絵里が、そして、時代劇の世界に憧れながらも、回り道を経てラジオ英語講座に自分の居場所を見つけた娘・ひなた川栄李奈が演じる。

今回安達が演じるすみれは、桃山剣之介のヒット時代劇「棗黍之丞シリーズ」に出演し人気を博した女優。ひなたにとって憧れの存在だったが、芸能界の荒波のなかで、何やらこじらせているらしいという役どころだ。

■安達祐実 インタビュー

――「カムカムエヴリバディ」に出演することが決まったときのお気持ちは?

とてもうれしかったですね。“朝ドラ”は日本中の家庭で朝の風景の一部となっていますし、私自身も日常で子どもが学校に行く準備を手伝いながら見ています。そういう国民的なドラマに出演できるというのは本当に光栄です。ふだん私が出演する作品についてあまり感想を言わない家族も今回は「すごいね! 良かったね!」と珍しく反応してくれました(笑)。またこれまで私の作品をあまり観てこられなかった方たちや“朝ドラ”のファンの方々からもコメントいただいたりもして、その影響力に改めて驚いています。

――女優の美咲すみれという役の印象はいかがですか?

性格が悪いわけではないと思うのですが、ちょっとこじらせていて(笑)、プライドも高いし、自分の置かれた立場を素直に受け入れられないところがある、そういった哀愁みたいなものをすごく感じました。芝居に対しても、台本のセリフにびっしりと書き込みをするなど、裏では努力していますが、ただそういう姿を人に見せない。自分が努力しているほどには評価されていないというもどかしさを、ずっと抱えて生きてきた。もろい部分を持っていてそうしたもろさが垣間(かいま)見えるけれど、それを隠そうと強がってしまったり、鎧を身につけて過ごしてきたんだと思います。そうしたもろさが透けて見える人間像を作れたらすてきな人物になるかなと感じています。

ただあまりお芝居が上手ではないという女優の役どころなので、かえって難しいですね。台本に“棒読みで”とあるのですが、どの程度の下手さで演じればいいのか、どこまでやればいいのか悩んでいます(笑)。

――カムカムエヴリバディの台本を読んでの感想や三代目ヒロインへの思いをお聞かせください。

どのヒロインもそうですが、まっすぐで前向きで純粋な心をもって生きている美しさがあると感じています。三代目ヒロインの川栄李奈さんは以前に共演したときも思いましたが、ふだんは静かだけれど、心の中にふつふつと熱いものを持っていて、それがお芝居にすごく出てくる方だなと思っていて。今回のドラマでも情熱や真摯な感情の爆発力を存分に発揮してくれるのを見るのが楽しみです。ひなたもとてもまっすぐな人。憧れていた女優のすみれに失礼だと捉えかねない発言をするけれど、それもまっすぐさゆえの行動です。

ひなたとは「お互いに刺激し合う関係に」

――すみれと比較して安達さんご自身は役を演じるためにどのような工夫をされていますか?

私はというと、めちゃくちゃ感覚派人間で、台本にはほぼなにも書きません(笑)。舞台に出演すると覚えられない動きを台本にメモするぐらいで、映像では書いたことがないですし、自分のセリフに印もつけないです。面倒くさいからということではなく、初めて台本を読んだ時に、その時の自分が受けた印象や感情をそのまま表現したい、なるべく自分の中から自然に湧き上がる感情を大事にして演じたいからです。そうすることで、初めてその芝居をご覧になる方が見て感じる感覚と同じになるのではないかなと思っています。今のところは、それで痛い目にあってないのでこの方法でやっています(笑)。

――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

ひなたすみれと出会い成長していくとともに、すみれも自分自身を見つめ直すきっかけになり、自分を見据えて生きていくようになります。ひなたとの絆がだんだんと生まれ、立場や年齢を超えて友情が芽生え、お互いに刺激し合う関係になっていく。ひなたと一緒にいることで、すみれもまた変化していく、そうした姿を見ていただけたらなと思っています。

“美咲すみれ”安達祐実/(C)NHK