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2月20日放送の『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)で、安住紳一郎アナウンサー(48)の北京五輪中継をめぐる“ぼやき”が波紋を呼んでいる。

番組冒頭、「さて、私の話で恐縮なのですが」と切り出した安住アナ。スタジオで着用していたシャツが破れていることに触れ、突如として「民放テレビ・ラジオ、もうこんな時代ですよ。皆さん」と呼びかけた。そして、やや語尾を伸ばした口調で一気にこう捲し立てた。

「フジテレビさんだって50歳以上の人の早期退職を募集してるでしょ。こんな時代が来るなんて思わなかった。嫌だ、嫌だぁ。本当に。私の口から言うのもどうかと思いますけれど。一応、民放では上の方のアナウンサーなんですよ」

「人前に出る仕事してるのに、Yシャツに綻び作って仕事してるんだからぁ。皆さんが民放のテレビ・ラジオについてどういう風に評価してるのか知りませんけれども。ひどいもんだよ。こんなボロボロですよぉ」

一方、本ラジオの放送時間帯には、北京五輪カーリング女子決勝「日本vs英国」がNHK総合で中継されていた。勢いが止まらない安住アナの“自虐ネタ”は、この北京五輪にまで及んだ。

「得するのはNHKだけだよ。オリンピック(の放送を)一緒にやろうって言ってさぁ、お金出しといて。民放が放送する種目は裏のBS(チャンネル)でやるっていうさぁ。何ていうやり方だぁ」

「今日もどうせ皆んなNHK総合チャンネルを見るんでしょう。知ってるんだから。民放テレビなんて潰れればいいと思ってるんでしょ。すぐ、皆んな言うもんね。スポーツはNHKで見た方がいいんだみたいな。見ればいいじゃないの。民放テレビ・ラジオがなくなってからどんな感想を抱くか思い知ればいいわ」

■安住アナの発言にネット上では賛否両論

昨年の東京五輪に引き続き、北京五輪でもTBSの総合司会を担当した安住アナ。そんな安住アナの意見にネット上では、《安住アナは好きです。言われていることも至極もっともだと思います》《安住紳一郎アナのボヤキわかります。民放はスポンサー頼みで、予算も限界があり番組制作もきついでしょう。そういう意味で可哀想です》と共感する声が上がっている。

しかし一方では、批判の声も相次いでいる。

《そもそも今回民放はそんなに中継を放送しなかったし、NHKの方が競技自体の面白さを放送してるからNHKを見る。それだけですね》
《スポーツでNHKを優先する理由は、余計な演出などがなく、説明・解説が丁寧で、純粋に試合・競技を観戦できるから。タレントのスタジオでの余計な感想とか、関連VTRを延々と流す余計な演出とか、そーいうのを求めていない人が多いということでしょう》
《NHKの意義は、受信料によりまさにCMなく公平に解説しながらも日本に着目した放送で、実況解説もわかりやすいことにあると思う。だから視聴者は同じ内容ならNHKを選ぶし、そもそも放映権の分担が民放とは違う。民放がNHKに勝てないと言うのならそれはスポンサーとの関係の問題。だから今回は安住アナの評価を下げる意見だと思う》

NHKと民放では五輪競技の中継配分は、放映権料が大きく関係する。テレビ局関係者が言う。

「NHKと民間放送で構成するジャパンコンソーシアムは、’18年平昌冬季五輪’20年東京五輪、’22年北京五輪’24年パリ五輪の4大会の放映権を共同購入しました。この放映権料は4大会合わせて1,100億円です。夏季・冬季の抱き合わせで購入しなければならず、内訳は平昌・東京五輪で660億円、北京・パリで440億円となりました。

ですがNHKが放映権料の約7割を負担しているため、主要な種目を抑えることができるのです。東京五輪では264億円の経費を計上したNHKが高視聴率を叩き出し、1人勝ちとなりました。タッグを組んだ民放5局は視聴率が伸びず、全体の収支も赤字でした」

もちろん安住アナも、このことは承知しているという。

「安住アナは昨夏の東京五輪の際に、ラジオ内でこの放映権料について解説していました。またパラリンピックが民放ではあまり放送されなかったことについても、“NHKが放映権を独占契約しているため、一部民放がNHKから放映権を購入した上で放送している”と説明していました。今回のラジオでは、様々な仕組みを理解した上での発言だったとは思いますが……」(前出・テレビ局関係者)

最後は「いきなり愚痴っぽい話になってしまって申し訳ないなと思ってます。語尾が幼稚園の先生っぽいからギリギリ許せるかなって。これ語尾きつかったら、かなり問題発言ですからねぇ。語尾って大事ですね」と明るく締めくくった安住アナ。冗談混じりの“自虐ネタ”には、果たしてどのような意図があったのだろうか?