昭和、平成、令和で生きる3世代の女性たちが紡いでいくファミリーストーリー、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)は、ついに3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)の物語に突入。ひなたの心をかき乱していく大部屋俳優の五十嵐文四郎を演じる本郷奏多に、役柄や“朝ドラ”出演への思いを聞いた。

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■初の“朝ドラ”出演「母親に報告したらすごく喜んでくれました」

――「カムカムエヴリバディ」という作品の印象はいかがですか。

本郷:安子編からしっかり見させていただいています。世代ごとにキャストも一新されるけど、作品のど真ん中にある伝えたいものがずっと続いていく、こういうシステムはすてきだなと思います。現場ではお会いすることのなかった先代の人たちの思いを継いで、責任を持って丁寧に演じていければと感じました。

――今回が初めての“朝ドラ”ということで、これまでに出演されたドラマや映画とはまた違う感覚があるのでは?

本郷:出演が決まったことを母親に報告したらすごく喜んでくれました。どうも両親は、今までの“朝ドラ”を全部見てきているようで。改めて大きいものに出させてもらうと感じました。あと何よりも出演者が豪華。お芝居をきちんとできる方たちが集まっているので、演技に深みがあるというか。現場の空気感はかなりレベルの高いもので、スタッフさんもベテランの方が多いため、プロ意識の高さを感じています。こちらとしては芝居に集中すればいいだけなので、非常にやりやすくて、いい現場です。

川栄李奈は「失敗している姿を見たことがない」

――演じる五十嵐は、時代劇に憧れ、スターを夢見て京都にやってきたものの、上下関係が厳しい撮影所の男社会になじめずにいる青年です。

本郷:五十嵐は、夢のために一生懸命努力するすごく真面目な面があります。そういう前を向いて頑張っている姿は、ちょっと自分とかぶりますね。僕も仕事に対しては真面目なので(笑)。ただ、彼の不器用さは見ていてちょっとハラハラするというか…。僕はどちらかという世渡り上手な方だと思うので、五十嵐にも僕の器用さを少し分けられたらと(笑)。

――五十嵐は大部屋俳優なので、さまざまな役になって劇中劇に出演しますね。

本郷:武士や町人だったりと、かつらをかぶっていろんな扮装をしていきます。それが大変でもあり面白くって。あと殺陣にもチャレンジさせていただいて。こちらも楽しいですね。ちなみにこれまでドラマの世界では、時代劇はテレビや映画の中の世界でしたが、ここで身近な存在になっていきます。ひなたが時代劇俳優を見てはしゃぐように、視聴者の皆さんも、「モモケン(尾上菊之助)だ!」みたいな感覚で映画村の人を見ていただけたら、より楽しめると思います。

――ひなた五十嵐の今後の関係も気になるところです。

本郷:絶対気になっているのだけど、わざと悪口を言っちゃうみたいなエピソードが多いですね。小さい男の子と女の子がケンカをして、その姿を周りの人がかわいいと思っているみたいな…。どこかほほ笑ましいに近い関係だと思います。かみ合っているのかかみ合っていないのか、そんな2人の関係を楽しんでもらえたら。

――ひなたを演じる川栄李奈さんの印象はいかがですか?

本郷:日数を重ねるたびに思うのは、めちゃくちゃ真面目で、仕事に対しての考え方がストイックだということ。彼女が何か失敗している姿は見たことがないくらい、素晴らしいんですよ。努力をしているけど、それを感じさせない立ち居振る舞いとか、非常に尊敬できる方です。そして、どこか仕事に対する考え方が似ているところもあって…。一緒にいて居心地がいい空気感が漂っています。そんな2人がどんなひなた五十嵐を演じていくのか。ぜひ楽しんでください。

取材・文=玉置晴子

五十嵐文四郎を演じる本郷奏多/ 撮影=下田直樹/スタイリスト=川地大介/ヘア&メーク=高橋幸一(Nestation)/衣装協力=ケンイチ(サカス ピーアール)、イオリ(ティーニーランチ)、サバイ、ヨーク(共にHEMT PR)