ビジネスメールなどでよく目にする文言があります。「取り急ぎ、お返事を差し上げました」「取り急ぎ、ご回答いたします」などはよくあるフレーズですよね。でも、この「取り急ぎ」という言葉、ビジネスで利用してもいいのでしょうか。

 著作家の藤田英時さんの著書「メール文章力の基本 大切だけど、だれも教えてくれない77のルール」(日本実業出版社刊)によると、「取り急ぎ」は相手にとりあえず知らせておきたいときに使われるものですが、忙しく慌てている感じがするので、“忙しい中でメールを書かせてしまった”という気持ちを相手に抱かせてしまうのだとか。そのため、「取り急ぎ、ご報告まで」は「まずは、ご報告まで」など、「まず」を使ったほうがいいそうです。

 また、お礼のメールのときの「取り急ぎ、お礼まで」も不適切だと書かれています。なぜなら、“とりあえずお礼のメールを書きました”という印象を与えるためです。「まずは、お礼申し上げます」とするのがいいそうですよ。

 コピーライターである山本晴男さんの著書「社会人の日本語 使いこなせたら一人前」(クロスメディア・パブリッシング刊)には、目上の人に対してお礼を伝える場合、「取り急ぎ」は失礼に当たると書かれています。メール相手にもよりますが、とくに注意したいですね。

アサジョ