明治安田生命J1リーグ第9節、浦和レッズvsヴィッセル神戸が23日に埼玉スタジアム2002で行われ、2-2の引き分けに終わった。

両チームともにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)へ出場するため、前倒しで行われた第9節。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で多数の欠場者が出ている浦和は、京都サンガF.C.に敗れた開幕戦から3名を変更。酒井宏樹、犬飼智也、安居海渡に代わり、大畑歩夢、アレクサンダー・ショルツ、松崎快をスタメンで起用し[4-2-3-1]の布陣で臨んだ。

一方、名古屋グランパスとの開幕戦を落とした神戸も変更は3人。大崎玲央、扇原貴宏、汰木康也に代わって初瀬亮、郷家友太、ボージャン・クルキッチが先発に名を連ね、古巣対戦となる槙野智章はセンターバックを務めた。システムは開幕戦同様、中盤をひし形にした[4-4-2]を採用した。

ゲームは序盤から慌ただしい展開を迎えることとなった。4分、神戸は大きなサイドチェンジを使って酒井高のクロスに武藤が飛び込むと、直後のCKの二次攻撃からボックス内で大迫勇也が左足を松崎に踏まれて悶絶。オン・フィールド・レビューの結果、神戸にPKが与えられた。

キッカーの武藤はゆったりとした助走から左を狙ったが、ややコースが甘くなったかGK西川に左手一本ではじき出されてしまう。だが、元日本代表のメンタルは崩れず、直後のスローインから汚名返上の先制点を奪取する。ボックス左で初瀬からパスを引き出した山口が強引な突破から折り返すと、ニアの武藤は右足トラップで浮かせて左足のボレー。ファーサイドのネットを揺らし、10分に試合を動かした。

先手を取られた浦和だったがすぐさま反撃に出ると、こちらもPK献上の借りを返す。中盤の競り合いから関根がボールを拾ってワンツーで左の深い位置を取る。相手のコンタクトを受けながらも粘って折り返すと、ボックス内で受けた松崎はファーストコントロールで対峙相手をかわして左足。シュートは右のポストに当たってゴールに吸い込まれ、松崎のJ1初ゴールで被弾から2分で同点とした。

さらに19分、浦和は左CKを得ると、馬渡のクロスを明本がニアでフリック。ファーで柴戸が頭で合わせてネットを揺らし、試合をひっくり返した。

ボールの回し方と立ち位置を間違えない両チームは攻撃の手を緩めず、以降もゴール前のシーンが多数。神戸は左クロスに武藤が頭で合わせ、さらにボージャンが右足ミドルで狙えば、浦和もビルドアップからチャンスを作る。左からの右斜め前へのパスを明本がスルーし、江坂が収めてさらに右へはたくと、フリーとなった松崎がボックス内から再び左足。前半アディショナルタイムには武藤がバックヒールで狙い、神戸が決定機を迎えるなど、互いの攻撃力が全面に出た45分となった。

後半は浦和ベンチが先に動く。大畑に代えて酒井宏を投入し、馬渡を左に回した。後半の立ち上がりも両者が攻気を見せるなかで、試合の様相は58分に突然変化する。小林のホールディングに対しても止まらず粘った明本だったが、ホイッスル後に手を出してしまう。これが報復行為とみなされ、レッドカードが提示された。

ここがチャンスとみた三浦淳寛監督は、63分に古巣対戦となる汰木と今季初出場となるアンドレス・イニエスタを送り出す。数的不利の浦和も岩尾を投入して[5-3-1]でセットアップ。酒井宏を3バックの右に組み込み、左のサイドハーフで先発していた関根を右のウイングバックへ回して守備の安定と少ないチャンスを個が生かせる並びに変更した。

これにより、攻める神戸に守る浦和という明確な構図ができ上がることに。リカルドロドリゲス監督は残り15分を切ったタイミングで江坂を下げて犬飼を投入して守備固めを図ったが、ボールを動かし続けた神戸が87分にゴールをこじ開ける。ボックス手前右からイニエスタが柔らかいクロスを送ると、飛び込んだのは槙野。頭でねじ込み、起死回生の同点弾を挙げた。

残り時間も攻勢を強め、セルジ・サンペールのシュートがバーをたたくなどした神戸だったが、浦和守備陣もこれ以上の失点は許さずにドローでタイムアップ。互いリーグ戦の今季初勝利は、翌試合以降に持ち越しとなった。

浦和レッズ 2-2 ヴィッセル神戸
【浦和】
松崎快(前12)
柴戸海(前19)
【神戸】
武藤嘉紀(前10)
槙野智章(後42)

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