なんとこの春、『うまい棒』にプレミアムバージョンが登場していた。4月発売の『プレミアムうまい棒』なる商品で、ラインナップは「明太子味」と「モッツアレラチーズ&カマンベールチーズ味」の2種類。値段は1本約20円と倍になっているが、サイズもやや大きめ。パッケージからおなじみのキャラ「うまえもん」がいなくなっている!? と思ってよく見てみると、シーリングスタンプ風のあしらいの中に目立たないながらもちゃんといてホッ。全体的に都会派&高級路線を打ち出した、キラキラと目にもまぶしいデザインとなっている。

明太子味」をさっそく食べてみたところ、横から見た形状をまん丸ではなく楕円にするなど、食べやすい工夫もなされていた。なお、テイストも通常の『うまい棒』は「めんたい味」だがプレミアムバージョンでは「明太子味」となり、チーズのほうもモッツアレラ&カマンベールという2種類を使い、高級感を出している。通常の『うまい棒めんたい味』と食べ比べてみると、プレミアムのほうが若干、きめ細かな食感となっておりなかなかおいしい。

販売元の「やおきん」の広報担当者さんに開発のきっかけなどお話を伺ってみたところ、
「これまでの10円という価格帯ではなかなか表現できなかった、高級感や、いろんな味へのこだわりも含めてチャレンジしていきたいと考えていま す。この 『うまい棒プレミアム』が軌道に乗れば、将来的にはさらにプレミアム感を増した、30円・50円なども検討していきたいですね。『うまい棒』はバラエティ豊富な中から“選ぶ楽しみ”がコンセプトのひとつでもあるのですが、『プレミアムうまい棒』はちょっと贅沢をしたいとき、などに ぜひ選んでいただければ……」とのこと。

なお、実は25年前に『デラックスうまい棒』として同様の商品が発売されたことがあったそう。根強いファンもいたものの、当時1本20円という価格帯は広くは受け入れられず、評価は一部にとどまるものとなったという。その後、技術を磨き、さまざまな体制を整え、満を持して『プレミアムうまい棒』として再挑戦することとなったというワケなのだ。
従来の『うまい棒』とは生地も変え、シーズニングパウダーも贅沢に使用しているため、正直なところ、『プレミアムうまい棒』のほうが利益率は低くなっているのだとか……。まさに、採算度外視(!?)の逸品といえる。

また、もともと「うまい棒」のファンというのは、実は子どもだけでなく、20~30代の男性も多いのだそうだ。以前、コネタで調査した「うまい棒の人気味は何!?」でも 「めんたい味」は堂々の1位という結果だったが、実はこれって現在、30代半ばの人にとって馴染みのある味であることにもよるのだそう。「私自身も現在、30代半ばなのですが『めんたい味』は紫のパッケージに赤い中身、という発売当時の記憶が今も残っています。自分が子どもの頃に食べた味というのが、今でも好きな味になっている人が多いと思うんですよ。現在、20代ならコーンポタージュ味、40代ならサラミ味、というふうに……長い歴史のある商品ですから、世代ごとに新発売の味が記憶に残っている場合が多いんじゃないかと」

なお、『プレミアムうまい棒』は今のところ、コンビニでの展開はしていないそうで、駄菓子屋さん、駄菓子コーナーが充実しているスーパー、ゲームセンターヴィレッジヴァンガードなど通常とは少し異なるルートで販売中とのこと。と、そんなわけでややボリュームアップ&リッチになった『プレミアムうまい棒』は、10本入りのパックなら200円前後という価格。子どもの頃は「晩ごはん食べられなくなるでしょ!」と怒られるため、10本一気食いなどはできなかった人が多いはず。大人になった喜びをかみしめつつ、今こそ「大人買い」し てみてはいかがでしょう?
まめこ

従来の『うまい棒 めんたい味』(左)と、新発売の『プレミアムうまい棒 明 太子味』(右)並べてみると、サイズの違いがよくわかる。