2022年5月1日(日)~5月17日(火)シアタークリエにて、『THE 39 STEPS ザ・サーティーナイン・ステップス』が上演されることが決定した。

イギリス冒険小説の先駆者ジョン・バカン原作小説 「三十九階段」(1915年)とサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督 「三十九夜」(1935年)、この2つの作品を基に舞台化された、本作。2006年ローレンスオリヴィエ賞の最優秀コメディー賞を受賞、その後はブロードウェイにも進出し、トニー賞にもノミネートされた。原作の名前を聞くと極上のサスペンスとおもいきや、ユーモアを愛する国イギリス発の演劇につき、観客の想像力を頼りに、緻密かつユーモアにあふれた唯一無二の演劇が、縦横無尽に繰り広げられる。

キャストは、2022年はミュージカルデビュー10周年の節目を迎え、この舞台が“単独初主演”となる平方元基と、謎の女スパイのアナベラほか、マーガレット、パメラの3役のヒロインに扮するソニン。日本のミュージカル界屈指の歌唱力と実力を誇る2人が、演劇の枠を超えた、抱腹絶倒のハイパーコメディーに挑戦する。

そして本公演の見どころのひとつである“クラウン(道化)”を務める2人は、怒涛の135役を瞬時に演じ分けながら、舞台上のセット転換や小道具のセットもこなす超ハードかつ、劇の進行における重要なポジションも担う(出演者は後日発表予定)。

本作の上演台本・演出を手掛けるのは、演劇界における新しいムーブメントの旗手であり、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』(演出・脚本)、シアタークリエ『SHOW BOY』(原案・演出)など多彩な演劇を作り続けながら、東京2020パラリンピック開会式の演出など、そのマルチな活躍が目覚ましいウォーリー木下。全編にわたって生バンドの演奏も加えることで、音楽の力も駆使して観客をウォーリー木下の演劇世界に引き込む。

その音楽を任されたのは、アコーディオンチェロ、ギターのトリオ編成で現在注目のインストゥルメント(唄のない)バンド、ザッハトルテが演奏する。

演劇と音楽の絶妙なコラボレーションも堪能できる、出演者4人だけの本公演。劇の幕が下りた後も歌と音楽を楽しむことができる趣向も用意し、観客を迎える、とのこと。

『THE 39 STEPS ザ・サーティーナイン・ステップス』

『THE 39 STEPS ザ・サーティーナイン・ステップス』

 
<ストーリー>
ロンドンで退屈な日々を持て余していたリチャード・ハネイは、ある日、ミュージックホールに出かける。舞台では、あらゆる物事を記憶するというミスターメモリーのショーの真っ最中だ。ところが劇場で発砲騒ぎが起こり、ハネイはそこで偶然出会ったドイツ訛りが強い謎の美女アナベラに、「自宅へ連れて行ってほしい」と頼み込まれる。アナベラはハネイに「自分はスパイだ」と打ち明け、某国の諜報部員がイギリスの防空体制にかかわる極秘情報を今にも手に入れようとしており、自分はそれを守るために逆に追われているのだと告げる。
その日の深夜、アナベラは何者かに殺されてしまう。アナベラを追っていた男たちを何とかかわしたハネイだったが、自分がアナベラ殺害の容疑者として指名手配されてしまう。容疑を晴らすためにはアナベラの任務の謎を解くしかない。スコットランドアルト・ナ・シュラッハ、小指のない男、39のステップ……。
アナベラが残した謎の言葉を手掛かりに、息つく暇もないハネイの大逃亡劇が幕を開ける!


物語の主人公、チャード・ハネイ役を演じる平方は「ハイパーコメディーとは何ぞや?! と思われた方もいらっしゃると思います。大丈夫です。僕もなんだかわかっていません。しかも4人とも舞台から一度もはけないそうです。恐ろしいですね!!(笑) ただ、先日、演出のウォーリー木下さんとお話しした時のワクワクしたこの気持ち、まだ稽古もしてませんが早く皆様と共有したくてたまりません。。玩具箱をひっくり返したような、たった4人の出演者が死に物狂いで悪ふざけに興じている姿、欲を言えばお客さまも一緒に劇場で遊べる楽しさを持った作品になったらいいなと思っています」と意気込みを語った。

また、アナベラ/マーガレット/パメラの3役を務めるソニンは「気心しれた、平方元基くんとの初めてがっつり絡む芝居の化学反応がどうなるのか、東京2020パラリンピック開会式で感動したウォーリー木下さんの演出マジックがどうこの作品を調理してくださるのか、とても楽しみであり、このご縁に運命を感じる事になる予感がしています」と公演への思いをコメントした。

(左から)平方元基、ソニン