農林水産省の発表によると、令和2年度のイノシシによる農業被害金額は約45億円に達しており、地域によってはより捕獲圧を強めることが求められています。

イノシシの捕獲には「くくり罠」と呼ばれる道具が広く使われています。獣道のなかでイノシシが足を置く場所を予測し、その場所にくくり罠を設置します。設置したくくり罠をイノシシが踏むと、罠が作動してワイヤーが締まり、イノシシの足を捉えるという仕組みです。

一般的なくくり罠は地面に穴を掘って設置しますが、くくり罠の大きさに応じて地面に穴を掘らなければならないので、なかなかの重労働です。地質が硬かったり、植物の根が多くあるような場所では、さらに作業が大変になります。

株式会社refactory(以下、refactory 本社:宮崎県宮崎市、代表取締役 守屋将邦)と株式会社TSJ(代表取締役:仲村 篤志 以下TSJ)は捕獲作業の効率化および捕獲率を上げるため、穴掘り不要の新型くくり罠「TSJ」を開発し、リリースいたしました。

軽い作動と手間いらずのくくり罠
野生鳥獣のなかでも、特にイノシシは警戒心が高く、犬と同程度の鋭い嗅覚をもちます。穴掘り等に時間を要してしまうと、その分人間の痕跡が残ることになります。そのため、折角罠を設置しても、その場所をイノシシが避けるようになり、捕獲が進捗しないといった事例も多くみられます。

上の写真は一般的なくくり罠(写真左)と新型くくり罠「TSJ」(写真右)の設置を比較した写真です。

一般的なくくり罠は、ワイヤーをくくりつける部分(踏み板とも呼ばれます)と、台座(写真中グレーの塩ビ管)で構成されます。踏み板が台座内に落ちることによって、ワイヤーを括りつけているアームが上がり、罠が作動します。台座は地中に設置する必要があるので、穴掘り作業は必須になります。

一方で、「TSJ」は独自の構造により、穴掘りをせずとも設置することが可能です。写真中のプレート部分に少しでもイノシシの体重がかかれば、アームに仕込まれたキックバネによって素早く罠が作動します。
上写真のとおり、TSJの底面には地面に突き刺せるようにアンカーがついており、地面に差し込めば設置完了です。そのため、穴掘りによる人間の痕跡が生じず、捕獲効率を向上させることができます。

軽い力で罠が作動するため、イノシシ以外の捕獲にも威力を発揮します。例えば、通常のニホンジカよりも体が一回り小さいキョン等においても、空ハジキ(罠が作動したものの逃げられてしまう事象のこと)が少ないという結果が得られております。

鼻くくりによって、より安全な止め刺しを
獲物を捕獲した後は、当然その後の処理が必要になります。くくり罠の場合、1本の足をワイヤーで保定する恰好になるのですが、ワイヤーの長さの分だけ自由に動きまわることができます。捕獲した獣の反撃にあい、人身事故が発生するケースも毎年見られています。

そのため安全な処理のためには、捕獲した獣の動きをいかに制限するかが重要になってきます。多く用いられるのは、捉えた足以外にも別の支点で獣の体を保定する方法です。イノシシの場合は、足のほかに鼻も保定することによって、動きを大幅に制限させることができます。

くくり罠「TSJ」は、専用のアタッチメントを取り付けることによって、鼻くくり罠としても機能します。以下の写真のように、長棒を取り付けることによってイノシシの可動範囲外から鼻を捉えることが可能です。原理は足くくりと変わりません。
開発者(株式会社TSJ 代表取締役:仲村 篤志 氏)コメント
このくくり罠を開発するにあたり、気が遠くなるほどの試行錯誤を千葉県いすみ市の猟師永島さんや猟師工房代表原田さんと共に繰り返し行って誕生したくくり罠です。

昨今、猟師の高齢化が進み有害鳥獣の増加に危機感を抱いた各地方自治体は次世代の担い手を確保する取り組みを展開しています。しかし、捕獲がうまく出来ないと人間はモチベーションを失います。そしてついにはわな猟の奥深さや面白さを知る事なく、捕獲する事をやめてしまいます。いわゆる資格はあるが捕獲行為をしない「ペーパーハンター」を増産することになってしまいます。

このくくり罠は「初心者でも簡単に捕獲できる」、「プロが使っても納得の実績」この2点を満たす最高峰のくくり罠です。導入している地方自治体でもこのくくり罠を使うと他のくくり罠を使えなくなるとのご感想を多数いただいております。

オールステンレスであること、部品点数や加工部が多いため若干お値段は張りますが、価格に負けることのない捕獲数をご体感いただけると思いますのでぜひ使っていただきたいと思います。

配信元企業:株式会社refactory

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