アメリカ在住のストリーマー・Ryan B.氏は2月26日(土)、2018年の「The Game Awards」Celesteの開発スタジオに贈られるはずだったトロフィーオークションサイトeBay」で発見し入手したと自身のYouTubeチャンネルにて伝えた。落札価格は500ドル(約5万7800円)だったという。

 『Celeste』は、カナダのゲームスタジオMatt Makes Games(現在はExtremely OK Games)によって2018年にリリースされたアクションゲーム。心に抱えた闇と戦う少女・マデリンが聖なるセレステ山」の登頂に挑むまでの過程を描く本作は、非常に高い難易度を持つ一方で秀逸なレベルデザインやストーリー性などが評価され、同年に開催された世界最大級のゲームアワード「The Game Awards」で“ベストインディペンデントゲーム賞”を獲得している。

 「The Game Awards」のいちファンとして飾りになるようなレプリカグッズを探していたRyan氏は、eBayに出品されていたあるアイテムを目にして思わず驚きの声を漏らしたと話す。商品ページには「本物」と記された同アワードのトロフィーが、『Celeste』開発チームの受賞場面の画像とともに掲載されていたからだ。

 出品者の素性は謎に包まれており、その他の取り扱い商品を見ても車の部品などゲームとは縁遠いものばかり。ソースについても「明かすことはできない」とされていたが、Ryan氏は375ドル(約4万3300円)の送料を追加で払い、半信半疑な想いを抱えながらも購入へと踏み切った。

(画像はYouTube「Unboxing a MISSING Game Award & Returning it! (Missing FOUR Years!) 」より)

 しかしながら届いた現物を開封すると、トロフィーには確かにCeleste』のタイトル名をはじめ、開発チームに贈られるはずだった賞の名前が刻印されていた。一体どういった経緯で出品していたeBayユーザーの元へ流れ着いたのかは不明だが、同氏はその模様を動画でYouTubeに投稿したうえで、Extremely OK Gamesへと確認を試みる。

(画像はYouTube「Unboxing a MISSING Game Award & Returning it! (Missing FOUR Years!) 」より)
(画像はYouTube「Unboxing a MISSING Game Award & Returning it! (Missing FOUR Years!) 」より)

 すると同スタジオのHeidy Motta氏から返信があり、実際に同スタジオはトロフィーを受け取っていなかったことが判明。発送の過程で何らかの齟齬が起きていたようだ。Ryan氏がトロフィーを返還したいとの旨を伝えると、Extremely OK Gamesは購入にかかった費用を負担し、さらにサインの入ったパッケージ版『Celeste』を贈ると提案した。

 かくしてアワードの受賞から3年以上の時を経て、あるべき場所へトロフィーが帰ることとなった。インターネットの不可思議さについて、あらためて考えさせられた今回の一件。ネットを通じてめぐり合った奇跡的な出会いに、形なき祝福の言葉を贈りたい。

Ryan B.氏のYouTubeチャンネルはこちら『Celeste』日本版公式サイトはこちら