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 最近世の中は、暗いニュースであふれかえっているが、そんな時こそ、明るい出来事に目を向けることで心のバランスを保ちたい。

 NASAが伝えたニュースは心に花を咲かせてくれるかもしれない。だって、火星に可憐な花が咲いているように見えるでしょ?かな?

 火星探査車「キュリオシティ」が撮影した花のようにも、サボテンのようにも、触手のようにも見えるこの物体は、エイリアンの忘れ物とかではなく、水に沈殿した鉱物が再結合してできたものだ。

【画像】 火星に開く一輪の花のようなオブジェ

 この自然のオブジェは「続成結晶群(diagenetic crystal cluster)」といい、同じものが以前にもキュリオシティによって目撃されている。

 「続成」とは、鉱物の再結合や再配列を意味しており、オブジェはおそらく鉱物の組み合わせでできた3次元結晶群で構成されている。

 火星探査車「キュリオシティ」の副プロジェクト科学者アビゲイルフレイマン氏は、Twitterで、そうしたオブジェは「硫酸塩」という塩でできていると説明している。

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 これを研究した論文によれば、もともとは岩石の中に埋まっていたと考えられるのだそう。しかし岩石の部分は次第に侵食され、侵食されにくい結晶群だけが残ったのだという。

火星のブルーベリー、スモモ、カリフラワー

 オブジェには「コンクリーション」という別名もある。

 以前キュリオシティが「ブルーベリー」との愛称で呼ばれた同様のものを発見したことがあるので、その用語に聞き覚えがある人もいるかもしれない。

 ちなみにコロコロと丸いコンクリーションなら、今回の花のようなオブジェの隣にも写っている。

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image credit:NASA/JPL-Caltech/MSSS/Kevin M. Gill/Flickr/CC BY 2.0

 なお今回のものは、「ブラックソーン・ソルト」と名付けられている。ブラックソーンとはヨーロッパなどに自生するスモモの木の一種だ。キュリオシティの研究グループは、MAHLIカメラでそのアップ画像を撮影。この車載カメラは地質学者がフィールドワークで使う虫眼鏡の火星探査車版で、岩石表面の公物や質感まで捉えることができる。

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 こちらはシメオン・シュマウス氏が提供している火星のオブジェの3Dモデルだ。

 キュリオシティは2013年にも花のようなオブジェを発見しているし、火星探査車「スピリット」も同様のものを見つけたことがある。こちらは節のような突起があることから「カリフラワー」と命名された。

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2008年にスピリットが撮影したケイ素カリフラワー / image credit:NASA / JPL-Caltech

 3397火星日目に撮影された画像を処理したのはケビン・ジル氏。彼の「Flickr」では、これ以外にもキュリオシティが撮影した素晴らしい画像を見ることができる。

References:Curiosity Finds a Bizarre Rock on Mars that Looks Like a Flower - Universe Today / written by konohazuku / edited by parumo

 
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火星に花を咲かせましょう。NASAのキュリオシティが撮影した花のような岩