働く人にとって貴重な休憩時間である昼休み。そんな1時間を電話応対に当てなければならないとしたら…。そんな女性社員の話をキャリコネが紹介したところ、ニコニコニュース約500件のコメントが寄せられた。

記事では、中小企業の総務で働く女性と、同じく中小企業で働く新入社員の女性の例が挙げられている。「電話には総務が一番に出る」という暗黙ルールがあったり、部長から2コール以内に出ないことを叱責されたりと、昼休み中でも気が休まるヒマがないというものだ。

休憩時間中の電話番は「違法な命令」

労働基準法は、1日6時間を超える業務には最低45分、8時間超の業務には1時間の休憩を与えなければならないとしている。休憩時間は自由に利用させなければならず、会社が従業員に命令したり管理下に置いたりすることはできない。

ニコニコニュース読者のコメントでも、昼休みの電話番は「違法な命令」であることを指摘するものが多かった。

「労基法守れよ。電話番するならそれは休憩じゃねぇからw」
「(電話に出ないと)評価下げるぞや罵倒はパワハラの類だろ」
「雇用主の支配下にあれば例外なく労働時間。上司が干渉するなら休憩時間ではない。すなわち違法」

中には「普通に電話番の休憩時間をずらせ」「交代制でしょjk(常識的に考えて)」という現実的な意見も。さらに「休憩中は電話には出ないよ」「昼休みは電話を留守電対応や録音に切り替える」と、そもそも電話を受け付けないというコメントもあった。

ただ、飲食店や小売店、自営業など、昼休みも電話を止めることが難しい場合もある。そうした仕事に慣れた人には、電話を取らないという選択肢を「甘え」と捉える人もいるようだ。

「(電話を取らなければ)機会損失、説明不要。普通取る」
「(昼休みの電話番は)あたりまえ。のんびり昼飯なんか食べてるからそうなる」
「昼だろうとすぐ電話取るって行動は大事。その理由も。わからん人は役所仕事しかできんよ」
台湾では「出ても不機嫌な対応」の理由

もちろん、このような感覚の人たちが昼休み中に掛けてくる電話に、日々ストレスを感じている人も当然いる。

「真昼間にかけてくるやつはマナーがないと思う…よ」
「緊急でもない限り平気で昼時間にかけてくる人ほんとに理解できない
「メシ時に電話かけてくんなやクソが!」

緊急の場合など、どうしてもすぐに連絡を取りたいときは仕方ないが、それ以外のときは「12時~13時は電話をかけない」という配慮が必要ではないか。

海外に目を向けると、台湾では12時台の電話はほとんど出ないという。ASUS JAPANの広報担当者は、PC Watchの中でその意外な理由をこう明かす。

「台湾企業と付き合いのある方はご存知かと思いますが、日本時間の13時30分前後に台湾に電話すると、だいだい出ないか、出ても不機嫌な対応をされます。理由は間違いなくお昼寝をしていたからです」

台湾では幼稚園から高校まで、校則で昼寝が義務付けられている。その影響かASUS台湾本社でも、台湾時間の12時30分から13時前後に、フロアの判断で消灯している場所もあるという。

ここまで徹底しないとしても、社員にキチンと休憩を取らせる方法はあるはずだ。長時間労働もそうだが、社員を休ませないことによる生産性の低下を、日本企業は軽視しすぎているのではないのか。

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