俳優の堺雅人が、3月26日21時放送されるスペシャルドラマ『ダマせない男』(日本テレビ系)で主演を務めることが発表された。共演に門脇麦、広末涼子、生瀬勝久らを迎える。堺のドラマ出演は、2020年7月期放送の『半沢直樹』(TBS系)以来となる。

【写真】門脇麦、広末涼子、生瀬勝久ら スペシャルドラマ『ダマせない男』キャスト陣

 本作は、堺演じる「絶対にだませない詐欺師」が主人公のコメディドラマ。脚本を『バンクオーバー!〜史上最弱の強盗〜』『モモウメ』の森ハヤシが手掛ける。

 “超”が付くおひとよしのサラリーマン・絹咲正(堺)は、婚活パーティーで浅香澪(門脇麦)に出会う。正は、澪に頼まれて彼女の父親に会いに行くが、正が会った相手は裏社会にもつながりのある大手ゼネコン社長・貴島(生瀬勝久)だった。

 実は澪の正体は「フレグランスの澪」という異名を持つ女詐欺師。貴島から5億円をだまし取ろうとしたものの失敗し、貴島の支配下にあった。貴島は、リゾート会社社長の大森(広末涼子)から10億円を奪ってきたら許すが、それができなければ殺すと正と澪に告げる。澪は、大森から10億をせしめる計画を立てるが、うそがつけず悪いことのできない正には、とても引き受けられる話ではなかった。しかし、正のあまりの人の良さから、10億円詐欺計画は思わぬ方向へと転がっていく―。

 主人公である超お人よし男・絹咲正を演じる堺は、正が徐々に詐欺師に仕立て上げてられていく様を「役者が台本をもらって、徐々に役を作って、本番に行くまでをドラマにしているよう」と表現。「あまり人に見せたくない姿を見せてしまっているけれど、視聴者の皆様には、その姿も見て楽しんでいただければと思います」と語った。

 堺と初共演の門脇は「台本を読んだ時から撮影が待ち遠しく、面白い作品になる予感しかありませんでした」、広末は「堺さん&門脇さんの初タッグ!が、本当に楽しみでワクワクさせられるとっても面白い脚本でした。まだ撮影が終了していないのにも関わらず、オンエアが楽しみでならない私です(笑)」とコメント。生瀬は「今回、堺くんとは久しぶりの共演でしたが、なんだか、穏やかになられたようで、始終楽しく現場を過ごせました。この作品の堺雅人さんこそ、僕が見たかった堺雅人さんです!」とメッセージを寄せた。

 その他、村川絵梨、皆川猿時、小手伸也、岡部たかし、遠山俊也、光石研ら個性派俳優陣も出演する。

 スペシャルドラマ『ダマせない男』は、日本テレビ系にて3月26日21時放送。

 キャスト、制作陣のコメント全文は以下の通り。

<コメント>

◆主演:堺雅人

――堺さんにとって久しぶりのコメディードラマですが、絹咲正という主人公をどう感じましたか? 実際演じてみていかがですか?

 僕が演じる絹咲正は、とてもおひとよしで、人に嘘をついたり傷つけることなく、なるべく優しく生きていきたいという人なんですが、ひょんなことから詐欺師に巻き込まれて、詐欺を働くことになります。

 演じてみて、絹咲正は……変な奴だな、と思いました(笑)。これをやりたい、という自分の意志ではなく、すべて人から言われてやるので、そんな生き方でいいのか?と思ってしまいますけれど。でも、おひとよしで優しいから、詐欺を働くときでさえ、一生懸命嘘をつこう、成立させようと努力するんですよ。

 頭では自分をなるべく出さないようにしているけれど、すぐ人を好きになったり、急に笑い出したり、体からは「生きたい」というメッセージがあふれている。

 やっぱり変な奴だし、そんな人を演じるのは面白いなと思います。

――主人公・正は「絶対にダマせない男」ですが、堺さんは「ダマされたこと」、「ダマしたこと」がありますか?

 俳優という仕事も、言えと言われたセリフを自分の言葉のように話す仕事ですから、ダマしているといえばダマしていることになりますよね。なので、他人ごとではないかなと僕は思います。

 ダマされたことは……女の子の嘘泣きは見破ることができないです(笑)。駅の改札で4歳くらいの女の子が(自動改札機を)ピッてやりたいってワーワー泣いているのを見たことがあったんですが、お母さんがピッとやったら、すぐ泣き止んでサッと入っていったんです。あの年齢でさえそうなのか! すごいな!と思いました(笑)。

――門脇麦さん、広末涼子さん、生瀬勝久さんなど、共演には豪華な皆さんがそろいますが、それぞれどのような印象をお持ちでしょうか。実際に撮影現場でお話しされたエピソードなどがあれば教えてください。

 皆さん一流の俳優さんばかりで、今回ご一緒するのは楽しみでしかなかったです!

 門脇さんは初共演だったのですが、まったく初めてという気がしなかったです。いろんな顔を演じられる女優さんですが、今回も謎が多い浅香澪という役をとてもミステリアスに演じてくださって、素晴らしかったですね。

 門脇さんは放っておくと、(ロケ地の)森の中を散策しだすんですよ(笑)。「このあたりはこんなキノコが生えているんです」「こんな虫がいます」とか、先生と生徒のようにレクチャーを受けていました(笑)。

 広末さんとは久しぶりにご一緒しました。表現者として僕のポテンシャルが1だとしたら、広末さんは100くらいの豊かさをもってらっしゃる方。笑うシーンがあるとしたら、僕は頑張って笑ったりするんですけれど、広末さんはむしろ笑いすぎないように抑えるような人なので、いつもそのエネルギーを浴びながら、本当にすごい女優さんだな、同じ時代でよかったなと感じています。

 生瀬さんもお久しぶりだったので、嬉しかったです。とても尊敬している先輩ですし、何より生瀬さんは人生を楽しんでらっしゃる方なので、素敵なんですよ。あるシーンで、生瀬さん演じる貴島源一郎が、ある乗り物に乗って登場するんですけれど、その乗り物に乗っている生瀬さんがものすごーく楽しそうで(笑)。何度も何度もその楽しさを力説されたので、僕は「購入されたらいかがですか?」と言ったんですけれど、皆さんにはそのシーンを楽しみにご覧いただきたいです。

――この作品を楽しみにしている視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

 この作品の絹咲正という人は、ちょっとずつ操られて、ちょっとずつ嘘をついて、ちょっとずつ詐欺師に仕立て上げられていくんですが、なんだかその過程って、役者が台本をもらって、徐々に役を作って、本番に行くまでをドラマにしているような感じなんです。ちょっとずつキャラが自分のものになっていく感じを、ずっと撮られているみたいな。手の内を全部バラしているようで、商売上、非常に厄介です。「ああ、この程度なのね、堺は」みたいになるんじゃないかと(笑)。

 あまり人に見せたくない姿を見せてしまっているけれど、視聴者の皆様には、その姿も見て楽しんでいただければと思います。

門脇麦

 台本を読んだ時から撮影が待ち遠しく、面白い作品になる予感しかありませんでした。日々の撮影も本当に楽しく、何度笑いが止まらなかったことか! 本番中も多々吹き出してしまい、プロ失格ですが、あんなに魅力的な堺さんには誰も逆らえないでしょう。

 皆様に笑って楽しんでいただけるよう、キャストスタッフ共に撮影に取り組んでおりますので、どうぞお楽しみに!

◆広末涼子

 堺さん&門脇さんの初タッグ!が、本当に楽しみでワクワクさせられるとっても面白い脚本でした。まだ撮影が終了していないのにも関わらず、オンエアが楽しみでならない私です(笑)。私が演じさせていただく“大森詩子”もクセの強いユニークな役なので、楽しんで演じられました。

 このドラマを観てたくさん笑って元気になってもらえたら嬉しいです。

生瀬勝久

 今回、堺くんとは久しぶりの共演でしたが、なんだか、穏やかになられたようで、始終楽しく現場を過ごせました。

 この作品の堺雅人さんこそ、僕が見たかった堺雅人さんです!

 是非、楽しみにしていてください。

◆脚本:森ハヤシ

 とてつもなく良い人が主人公のドラマです。書けば書くほど、とてつもなく良い人というのは、とてつもなくおかしな人だという事がわかりました。そんな良い人が詐欺師になるというとてつもなくヘンテコなお話を、堺雅人さんをはじめ、とてつもなく豪華な役者さん達が演じる事で、とてつもない作品に仕上がっていると聞いています。とてつもなく楽しみにしていて下さい!

◆演出:日本テレビ情報・制作局 水野格

 これまでになく「優しさ」が求められている今、「おひとよし」を突き詰めていったら見た事のないコメディーが出来るのではないか、と思ってこのドラマを企画しました。

 堺さんをはじめとした一流のキャストとスタッフのおかげで、唯一無二の優しい喜劇に仕上がりました。

 見終わった後、きっと楽しく優しい気持ちになれるドラマです! ご期待ください!!

SPドラマ『ダマせない男』で、おひとよしの詐欺師・絹咲正を演じる堺雅人 (C)日本テレビ