「げい」型のネームシップ、いよいよ実運用へ。

最初から女性自衛官の乗艦を考慮した初の潜水艦

防衛省は2022年3月9日(水)、三菱重工神戸造船所(神戸市兵庫区)において、潜水艦「たいげい」の引渡式および自衛艦旗授与式を実施しました。

艦名の「たいげい」は漢字では「大鯨」と書き、文字どおり大きなクジラを意味し、海上自衛隊で用いるのは初めての名称です。なお、旧日本海軍では同名の艦が潜水母艦として存在しました。

「たいげい」のサイズは、全長84.0m、幅9.1m、深さ10.4m、基準排水量3000t。乗員は約70名で、主機関はディーゼル電気推進、軸出力は6000馬力です。起工は2018年3月16日で、進水・命名式は2020年10月14日に実施されています。

前型のそうりゅう型潜水艦と比べると、基準排水量で50~100トンほど増え、深さが0.1m大きくなった以外は概ね変更ありません。外観形状もほとんど変わっていないものの、主機関はそうりゅう型の11番艦「おうりゅう」や12番艦「とうりゅう」に引き続き、ディーゼルエンジンリチウムイオン電池を組み合わせたディーゼル電気推進が採用されています。

なお、海上自衛隊によると、そうりゅう型潜水艦と比べ、ソナーの探知性能がアップした一方、自艦の被探知防止性能は向上しているとのこと。また、潜水艦への女性自衛官に関する配置制限の解除を受けて、居住区内に仕切りなどを設け女性用寝室を確保することや、シャワー室の通路にカーテンを設けるなどして女性自衛官の勤務に対応しているのも特徴だといいます。

「たいげい」は、神奈川県にある海上自衛隊横須賀基地に配備されます。

海上自衛隊の最新鋭潜水艦「たいげい」(画像:海上自衛隊)。