オープン戦6勝1敗で首位をひた走る好調のベイスターズ。連日、開幕投手やローテーション、走塁や進塁打を含めた昨年と違った戦い方などの話題が紙面を飾っているが、ベイスターズを支えてきたのはブルペン陣の奮闘。今年も今まで、個性あふれる面々の仕上がりは上々の様子だ。

 右腕の目玉は2年目のドラフト1位・入江大生。昨年は開幕ローテーション入りしたものの、未勝利に終わった上に右肘のクリーニング手術でリハビリに回る悔しいシーズンを送ったが、今季は三浦大輔監督の指示により配置転換。監督の現役時代をほうふつとさせる2段モーションから、随時150キロを超えるストレートは威力十分で、セットアッパーもしくは国吉佑樹の抜けたロングリリーフの役割にも期待が持てそうだ。

 また3年目の伊勢大夢は、ワインドアップにフォーム変更すると、持ち味のストレートにさらに磨きがかかり、ターゲットストッパーも手が届くところまで来ている印象。ベテランの三上朋也も順調に一軍で登板を重ねており、大卒ルーキーコンビ・徳山壮磨と三浦銀二も、先発陣次第ではブルペンを支える役割となりそうだ。また外国人助っ人の3年目のマイケル・ピープルズも安定感があり、まだ来日はできていないが新外国人のクリスキーも楽しみな存在。ファームには実績十分の平田真吾背番号も若返った中川虎大も控える。

 左腕では5日のオープン戦で制球を乱したが、9日にはしっかりと調整してきた鉄腕エドウィン・エスコバーは例年同様のフル回転が期待され、「ピンチを抑えるのが好き」と話す砂田毅樹の存在は今シーズンも心強い。加えて、19年8月のトミー・ジョン手術から厳しいリハビリを経て、昨年9月に一軍復帰登板を果たした田中健二朗も好調。今年は春季キャンプから一軍で調整し、横浜スタジアムでは回またぎで無失点ピッチングを披露した。三浦監督も「ボールのキレも良かった。こういった使い方もある」とロングでの起用も示唆。昨年奮闘した櫻井周斗の離脱を埋めて余りある活躍が期待される。またファームでは手の出どころがさらに見にくくなったフォームで先日好投した池谷蒼大、育成だがポテンシャルの違いを見せた石川達也も面白い存在となっている。

 今年は延長が12回までと通常に戻ることも加味すると、ゲームの終盤戦に向けてさらに重要度の増す彼らの存在が貴重になってくることは明らか。もつれたゲームをモノにするキーマンたちもまた、開幕一軍キップを争っている。

取材・文・写真 / 萩原孝弘

入江大生