ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。

2022年1月スタートのテレビドラマDCU』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

第7話では、成合(吉川晃司)と繋がる謎の女性・根岸(明日海りお)の正体が明らかに。そこには彼女の後悔と母としての苦渋の決断がありました。

容赦ない『ブラックバタフライ』 木見は口封じで殺害されたのか

根岸がプロデュースしたリモートダイビングVRのお披露目イベントが病院で開かれました。

遊びに来ていた子供たちも大興奮。しかし、事態は一変、海中のリモートカメラが乗っ取られてしまい、水上バイクが爆破されました。

DCUリモートダイビングVRを開発した人物である、東都重工海洋研究所の笠原英伍(岡田浩暉)の協力も仰ぎ、事件の解明に取り組みます。

そんな中、前回の水族館殺人事件で犯人となった木見一郎(加藤雅也)が自殺したという情報が。新名と副隊長の西野(高橋光臣)はこれが何者かによる口封じであると察します。

木見はダイヤの密輸にも関わっていましたが、それらは全て指示でやったと言っていました。

おそらく木見の情報を知られてはまずい人物が口封じで殺したということなのでしょう。

留置所にいる人物を殺害できるということは、内部の人間の可能性が高いです。

そしてリモートカメラの乗っ取りと爆破は、木見の死亡を知った根岸が企てたものでした。

彼女はテロリスト集団・ブラックバタフライの一員だったのです。

口封じに木見が殺されたのだとしたら、次は自分の番だと恐怖に怯えた根岸は、「やられる前にやってしまおう」と自分に指示を出していた成合を事故を装って殺害しようとしました。

しかし成合は爆破の寸前で水上バイクから飛び降り、生きていたのです。

計画が失敗した根岸は成合との電話で「どうしてもブラックバタフライを抜けたくて…」と声を震わせながら訴えますが、それはどうも許されない様子。

この時、根岸は成合を「ゴースト」と呼んでいましたが、この『ゴースト』というのは、おそらく成合が『死んだことになっている』からでしょうか。本当は『いないはずの人物』ですからね…。

根岸の母親として苦悩

根岸は再び、成合の殺害を企てますが、まんまと爆弾は根岸の娘のいる水族館へと向けられてしまいます。

刻一刻と迫る爆破時刻にDCUが駆け回り、危機一髪のところで回避することができました。

「女手ひとつであんな大金稼ぐには、こうするしかなかった」

彼女がブラックバタフライに入ってしまった理由は、心臓病である最愛の娘のためだったのです。

しかし、もう娘に会えないこと、自分の母親にも迷惑をかけてしまったことを涙ながら後悔するシーンは、自責の念とこれまで押しつぶされそうになっていた重圧から解放された安堵の表情も垣間見えました。

子供を救いたい一心で悪事に手を染めてしまった母親の末路。

そんな姿を見た新名は、ゴースト(成合)の情報を渡すことを条件にこの件をDCUで預かることを提案。

「隊長、そんなことできるんですか!?」と言いたくなってしまいましたが、今回は幸い、死人も出ていないので大事にはならずに済むのかもしれません。

瀬能のさりげない気遣いに涙

これまでの『DCU』での横浜流星の繊細な演技には何度も魅せられてきましたが、今回もまた思わず胸がグッとなるシーンがありました。

それは、根岸が逮捕された直後のシーン。手錠をかけられた彼女の前に偶然、娘が通りかかります。

しかし、母親が手錠をかけられている姿なんて、まだ幼い娘には決して見られたくないはず。

何もできない根岸に、すぐに状況を察知した瀬能(横浜流星)は「萌ちゃん、帰ろうか」とすぐさま子供に駆け寄り、子供から根岸の姿が見えないようにしてあげたのです。

娘に駆け寄るまでの間、瀬能の台詞はありませんでしたが、視線のみですべてを表現する横浜流星と、その後ただ遠くから娘を悲しげに見つめる明日海りお、二人の演技は本当に見事でドラマに深みを与えてくれました。

最大の敵であるブラックバタフライ、そして事件の核心へと徐々に近付きつつあるDCU

瀬能の父はテロリストに設計図を渡し、高額な報酬をもらっていたというのは事実なのか?また、成合は瀬能自身にその事実を確かめるよう促しますが、この真意は何なのか。

ここに来てようやく新名の持っていた鍵が瀬能の手に渡りました。もしかすると鍵のありかは案外、瀬能の身近にあるものかもしれません。

次回は、早くもクライマックス突入!

舞台は温泉施設ということで阿部寛ゆえに映画『テルマエ・ロマエ』が頭をよぎりますが、どんな展開が待っているのか。日曜日の放送が楽しみです!

DCUTBS系で毎週日曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]