駐日ウクライナ大使が林芳正外相に面会を求めていたにも関わらず、約1か月間実現しなかった件で、自民党鈴木貴子外務副大臣が何かしらの関与をしているのではという疑惑が生じている。貴子氏は「事実無根」と反論。3月5日のツイッターでは「事実関係として『口頭での要請はあったが正式な依頼書が届いていなかった』ということ」と説明しているが、「言い訳のようにしか聞こえない」と否定的な声も聞かれる。

 貴子氏は、日本維新の会鈴木宗男参議院議員の長女として知られる。失言などはほかの議員に比べて少ないと言えるが、過去には有権者から「裏切り者」と批判される行動を起こしている。それがまったくスタンスの異なる民主党から自民党への移籍だ。

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 貴子氏は2012年に、公民権が停止中だった父親の宗男氏に代わって、新党大地公認で出馬するも落選。同党の石川知裕氏の議員辞職に伴い、13年に繰り上げ当選を果たす。その後は民主党へ入党し、次の2014年の選挙で当選する。小選挙区では敗れたものの、比例単独1位の待遇で復活を果たした。

 しかし、2016年に民主党日本共産党と歩調を合わせる路線を批判し、離党届を提出するも受理されず除籍処分を受ける。この共産党への批判的なスタンスは父の宗男氏譲りのものである。その後は、宗男氏の古巣である自民党との距離を縮めるようになった。

 この時期にはTPPの強行採決の夜に、結婚披露宴を行ったことも。貴子氏はTPP反対を掲げて当選していたため、この動きも批判を集めてしまった。

 2017年9月には自民党へ入党届を提出し、同年10月の総選挙では北海道ブロック比例単独2位で出馬し当選。このポジションはまず確実に当選できるものだ。

 そのため、「有権者への大いなる裏切り」「小選挙区で勝負すべき」といった批判を集めてしまった。ただ、この動きにも宗男氏の新党大地民主党と決別し、自民党との距離を縮めた動きが関与している。

 父の宗男氏は日本維新の会、娘の貴子氏は自民党と所属政党は異なるものの、いまだに関係は密接と言える。その分、今回のウクライナ大使と林大臣の面会を巡っても疑惑が生じてしまったのだろう。

記事内の引用について
鈴木貴子氏のツイッターより https://twitter.com/_SuzukiTakako_

鈴木貴子氏のツイッターより https://twitter.com/_SuzukiTakako_