舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』が2022年3月12日(土)、東京・新宿シアターサンモールにて開幕した。近未来の日本を舞台に繰り広げられる壮大なオリジナルストーリーを、高本学らがアクション満載に演じる。初日前日に行われたゲネプロの模様をお伝えしよう。

中原裕也が原作を手掛ける、男たちの戦いと生きる意味、絆をテーマにしたメディアミックスプロジェクトの舞台版。今秋には映画『COLOR CROW -緋彩之翼-』の公開が控えている。

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

2045年の日本には、国家特別防衛課『トクボウ』なる組織が存在していた。所属するのは『クロウ』と呼ばれる諜報、防諜、暗殺、警護など多岐にわたる任務を遂行するための人材。日本国特有の職業“シノビ”が持つ特殊な訓練を受けさせ、厳しい条件をクリアした者たちだった。

物語を通して圧倒的だったのは、やはり怒涛のアクション。冒頭から、黒装束姿の男たちと対峙する阿佐美煉(高本)、乃木杏莉(設楽銀河)、羅生聖護(日向野祥)は『禊』と呼ばれる最終試験に臨んでいた。指導役である神楽瑠唯(湯浅雅恭)の忍術を応用した武術を前に、殺陣や体術で応戦していく。

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

クロウを束ねる司令官・椿泰親(内田裕也)は、煉と杏莉に豪華客船『フェニックス号』での任務を与える。船に集まった世界各国の首脳陣を狙ったテロ計画を阻止するため、潜入する二人。「任務は原則ペアで遂行する」「殺人をしてはならない」といったクロウの掟、もともとは彼らが未成年犯罪者収容所にいたという過去も物語のカギを握るようだ。

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

テロを首謀するのは、大迫由紀夫(村上幸平)率いる組織『Dolce』。部下である福丸環(杉江優篤)とともに、日本を陥れるためのシージャックを遂行していく。二人のコミカルさにクスッとさせられるも、垣間見える冷酷さには思わず息を殺してしまった。

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

単純で溌溂とした煉と、慎重に計画を立てたがる杏莉は性格的には正反対のタイプゆえ、コンビネーションは少々不安定。内輪揉めしている間にテロが起きてしまい、二人は離れ離れに。焦る煉の前には、どこからか船に侵入していた蒼田三月(阿部快征)が現れる。

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

物語に没入させてくれるのは、やはり魅力的なキャラクター像だろう。クロウたちの任務に携わることになる三月には、聴覚に優れるという特殊な性質も大きなポイントに。礼儀を重んじ、律儀で真面目な聖護のパワフルな武術シーンは圧巻だ。一見おとなしい杏莉が、戦闘モードにスイッチを切り替える瞬間も心躍る。

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

感情豊かで目を引くのは、やはり煉。仲間思いで人情深い一面が垣間見え、やんちゃでがさつな面も憎めない。ハードボイルドな世界観に風穴を開けていく存在だ。それぞれのキャラクターに与えられた“色”にもぜひ注目してほしい。

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより

潜入作戦とあって、クロウたちには常にピンチが襲い掛かる。終盤、怒涛に繰り広げられるバトルシーンは瞬きすら忘れてしまいそうに。スリル満点の展開は、観劇後もしばらく疾走感の余韻に浸らせてくれた。

出演者コメント

■阿佐美煉役:高本学 
まずは、初日を全員で迎える事が出来て本当に嬉しく思います。
稽古では一人一人が役に向き合い、話し合いを重ね、チャレンジしながら作品を作り上げて来たので、お客様に届けるのが楽しみです。
僕が演じさせて頂く阿佐美煉は、真っ直ぐで熱く明るいキャラクターだなと思います。
その中にも過去の辛い経験があり、様々な出来事を経て成長していく所が魅力的です。
そして、殺陣がキャラクターによって個性溢れているのも見所です。
お客様にCOLOR CROWを観てよかったと思って頂けるように、明日も頑張ろうという活力を与えられるように、全力で駆け抜けて行きますので是非楽しみにしていてください。

■乃木杏莉役:設楽銀河 
キャスト、スタッフ一丸となって、誰一人欠けることなくこうして初日を迎えられることを嬉しく思います。
やっぱりこの作品は、ド迫力のアクションが見どころの一つです。 
『COLOR CROW』ならではの殺陣などが出てくるのでそこにも注目して欲しいです。
伝えたいことがここにあります。
どうか皆様、ご無理のない範囲で応援してくださると嬉しいです。

■羅生聖護役:日向野祥
ようやく皆様に『COLOR CROWの世界をお届けできる』その気持ちで今は胸が高鳴っています。この作品は、熱量は勿論、登場人物たちの背負っている過去や今の時代だからこそ大切な勇気や希望がたくさん詰まっている作品だと思います。映画の撮影も経てカンパニーとしての団結力や空気感も非常に高い状態での舞台公演なので一公演一公演大切にお届けできればと思っています。
是非、個々のキャラクターの想いや個性を感じて頂ければ嬉しく思っています!
観劇下さる全ての皆様にCOLOR CROWの世界が存分に伝わる様精一杯頑張ります!
宜しくお願い致します!!

■蒼田三月役:阿部快征
この作品を皆様に観て頂けることに、そして無事に初日を迎えられる事に感謝して、最後まで気持ちを切らず皆さんにCOLOR CROWをお届けしたいです。
この作品の見どころのひとつはオープニングです。オープニングで僕らのやりたい事の大体を皆さんに提示しています。僕は稽古場で観ていて毎回圧倒されていました。観劇される皆様にも注目して観ていただけたらと思います。
最後に、数ある作品の中から COLOR CROW を選んで頂けた皆さんに、観に来てよかったと思って貰えるよう僕らは舞台上で汗を流し感情を動かします。一度ではなく、何度でも観てもらえるよう僕らはこの作品を、届けていきますので応援をよろしくお願いいたします。

■椿泰親役:内田裕也 
ずっと前から考えていたモノが、やっと皆様にお届け出来るということが本当に夢のようです。この状況下で無事に初日を迎え、芝居が出来ることの有り難みを噛み締めています。
私の演じる椿は、捉え所のないキャラでいながらも実は芯が通っていて、愛に満ち溢れた人です。そんな椿が集めたCOLOR CROWも、それぞれに闇を背負いながらも実に愛に溢れたキャラたち。そんな彼らが互いに助け合い成長していく姿が一番の見どころです。
この状況下で劇場へいらして下さった皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!
この感謝の気持ちをステージからお伝えするつもりで、毎公演全員一丸となって励みます。
観劇後、劇場を出る時の皆さんが、笑顔でありますように。


取材・文・撮影=潮田茗

(C)中原裕也・Ask  (C)2022COLOR CROW製作委員会

舞台『COLOR CROW -蒼霧之翼-』ゲネプロより