500円貨幣などを製造する造幣局は、意外と知られていませんが、貴金属製品の品位証明業務を行っています。品位証明業務を通じて、国内で売買される貴金属製品に関して模造品やニセモノなどによる被害の発生や拡大を未然に防ぎ、店舗だけでなく、ネット通販やテレビショッピングなどで、消費者のみなさまが少しでも安心して購入できるよう業務を遂行しています。
この度、金価格が高騰している状況を受けて、注意喚起を行います。
 2019年半ば以降、日本国内の金の小売価格も市場最高値を更新するなど、金価格上昇のニュースを目にする機会が多くなっています。現物資産である金は無価値にならないことから「有事の安全資産」と言われ、テロや戦争、災害等、世界的なリスク回避局面で購入される傾向があることで知られています。

 こうした世の中の動きは、貴金属製品の販売市場以外の思わぬところでも、みられています。
500円貨幣などを製造する造幣局では、貨幣の製造以外にもある特徴的な事業を行っています。それが品位証明事業です。造幣局は、公的な第三者として、貴金属製品の製造又は販売をしている事業者の方々からの依頼に応じて、製品の品位試験を行い、合格した製品に品位証明記号(通称:「ホールマーク」と言います。)を打刻しています。
 「品位」とは、製品に含まれる貴金属の純度を意味し、「品位試験」とは、製品に含まれる貴金属の純度を分析し、事業者が申し出た純度を満たすものであるか試験することです。

金のネックレスのホールマーク打刻風景【写真】

 そうした造幣局が行っている貴金属製品品位証明の令和3年度の受付数からも、市場で金製品の購入が増えていることが読み取れます。下のグラフが示すとおり、金のネックレスやブレスレットの受付数は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、令和2年度に一時減少傾向が見られましたが、喜平チェーンと呼ばれる地金型アクセサリーの依頼件数が好調を維持しているため、令和3年度の受付数が、新型コロナウイルス感染症拡大前の平成30年度の受付数の水準を上回る見込みです。

グラフ】金のネックレスとブレスレットの受付数量の推移

金75%(K18)のネックレスに打刻された品位証明記号「ホールマーク」

  
 喜平チェーンの需要が好調な背景には、金の価格高騰を踏まえ、地金資産として喜平チェーンを購入する方が増えていることがあります。喜平チェーンは、金属の輪っかを繋ぎ90度にひねり、表面を押しつぶしたデザインのものをいいますが、販売側にはデザインや制作にかかるコストを低く抑えることができるといったメリットがあります。また、買う側にとってはファッションとしても重厚なデザインを好む男性からも人気が高く、売りに出す際には、金そのもの素材価値に近い価格で買い取られるといったメリットがあります。


 今、喜平チェーンなどの金製品に品位証明が求められているのは、製造又は販売事業者の方々が、自社の商品について顧客から信頼を得るためです。造幣局は貴金属製品の純度を証明することのできる日本で唯一の公的機関であり、第三者機関として信頼をいただいている証ともいえます。

 造幣局は、その信頼、期待に応えるため、世界水準として認められている金の分析能力や貨幣製造で培われた分析技術を応用し、これからも品位証明業務を通じて貴金属製品の取引の安定に貢献していきます。また、国内で売買される貴金属製品にあって、模造品やニセモノなどによる被害の発生や拡大を未然に防ぎ、店舗だけでなく、ネット通販やテレビショッピングなどで購入される際、消費者のみなさまが少しでも安心して購入できるよう、この造幣局のホールマークがお役に立てれば幸いです。

 金の価格上昇が続く今、純金や18金の製品のご購入を検討される際には、是非一度、造幣局のホールマークが入っているか確認してみてはいかがでしょうか。

 造幣局の貴金属製品品位証明業務のことをもう少しお知りになりたい方は、以下のURL(造幣局のホームページ)をご覧ください。
https://www.mint.go.jp/operations/exam/operations_certification-01.html

配信元企業:独立行政法人造幣局

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