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小栗旬(39)が源頼朝を支える主役・北条義時役を演じる今回の大河ドラマ。民放では主演のギャラが最も高いのが一般的だが、NHKには独自のギャラ相場が。

「現在の人気や実力で出演料が決められる民放ドラマとは異なり、NHKの出演料は主にキャリアとNHKへのこれまでの貢献度で定められており、ランク分けされているのです」(制作関係者)

源義経を演じる菅田将暉(29)の登場により視聴率も上昇中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。出演俳優たちの意外な“ギャラ事情”について、次のように続ける。

「もともとNHKの出演料は民放と比較して2〜3割低いです。民放のゴールデン、プライム帯のドラマ主演なら1話につき100万円以上となりますが、NHKでは日曜20時の大河ドラマでもその半分以下ということもあります。人気以上に過去の実績が重視されるので、主演より出演料の高い脇役がいることも珍しくありません」(前出・制作関係者)

主要キャストの今作のギャラに関して、複数の関係者からの証言をもとに調査すると、トップに輝いたのは、後白河法皇役の怪演が話題の西田敏行(74)の70万円(1話あたり)だった。NHK関係者は、西田の“絶大な貢献度”をこう語る。

「西田さんは、今作含め13作もの大河ドラマに出演。『翔ぶが如く』『八代将軍吉宗』『葵 徳川三代』では3度の主演を果たし、『西郷どん』でも語りを務めました。そのほかにも連続テレビ小説『瞳』やドラマ『ジイジ〜孫といた夏〜』『坂の上の雲』など、NHKドラマへの出演歴は多数あります。

ドラマ以外にも歌手として4度『紅白歌合戦』に出場。豪華キャストのなかでも西田さんはキャリアもNHKへの貢献度も群を抜いています。70万円は民放と比べれば安いでしょうが、NHKではVIP待遇なのです」

■小栗は民放主演なら150万円以上だが…

2位は平清盛役の松平健(68)で60万円。『草燃える』『元禄繚乱』『利家とまつ』『義経』など、大河ドラマ7作に出演している。

’17年には同局ドラマ『PTAグランパ!』で主演。『紅白』にも2回出場し、『マツケンサンバII』を披露しています。

俳優業以外でもNHKに貢献している西田さんと松平さんは、今作では別格のギャラですね。お2人とも過去の大河ドラマで北条義時役を演じている“先輩”でもあります。ただし、出演料が高額のため、登場回数が限られる役になります」(前出・NHK関係者)

主演の小栗旬(39)は50万円で意外にも3位タイ。今回で8度目の大河出演となる小栗だが、前出の制作関係者はこう語る。

「小栗さんが民放ドラマに主演すると150万円前後になります。民放の3分の1の出演料ですが、実は小栗さんはこれまでNHKドラマでの主演経験がないため、主演でもこのクラスに留まるのです」

丹後局役の鈴木京香(53)と、上総広常役の佐藤浩市(61)は小栗と同率3位。両者ともに脚本の三谷幸喜(60)から信頼が厚い役者だと、前出の制作関係者は言う。

「三谷さんが脚本を務めた『新選組!』で浩市さんは芹沢鴨役、京香さんはその愛人であるお梅役を演じました。京香さんは『真田丸』にも出演していて、三谷大河は今回で皆勤賞です。

京香さんは朝ドラ君の名は』(’91〜’92年)のヒロインを演じ、大反響を呼んだ主演連ドラ『セカンドバージン』(’10年)は映画化までされました。女優のなかではトップクラスの貢献度です」

佐藤もNHKとの縁は深い。

「俳優デビュー作が、ドラマ『続・続 事件 月の景色』(’80年)の主演でした。大河ドラマでは『新選組!』以外にも『翔ぶが如く』で坂本竜馬役、『炎立つ』で源義家役を演じました。’05年の土曜ドラマ『クライマーズ・ハイ』では主演の新聞記者役が評価され、第32回放送文化基金賞出演者賞を受賞しています」(前出・制作関係者)

そして今作では息子・寛一郎(25)との“親子共演”も話題だ。

「大河初出演となる寛一郎さんは源頼朝の孫・公暁という重要な役どころ。NHKの信頼度の高さがうかがえます」(前出・制作関係者)

■民放で主演を張る、大泉洋・宮沢りえらは40万円クラス

征夷大将軍源頼朝役の大泉洋(48)と義時の継母・りく役の宮沢りえ(48)が40万円で続く。2年連続で『紅白』の司会を務めるなど、NHKへの貢献度は十分のように思える大泉。前出のNHK関係者によると、「NHKドラマでの主演経験がない」というのが40万円に留まる理由のようだ。

30万円クラスが小池栄子(41)、中村獅童(49)、山本耕史(45)、新垣結衣(33)。新垣は頼朝の最初の妻で周囲の権力闘争に翻弄される八重を好演し話題だが……。

「新垣さんがNHKのドラマに出演したのは『絆〜走れ奇跡の子馬〜』(’17年)のみ。人気も知名度も抜群の女優さんですが、NHKでの実績はあまりないのです。新垣さんの起用は三谷さんの“鶴の一声”で決まりました。民放の主演ドラマなら最低でも150万円以上なので、NHKでのギャラが最も乖離しているキャストといえるでしょう」(前出・制作関係者)

現在、フジテレビ「月9」の『ミステリと言う勿れ』に主演中の菅田将暉(29)、昨秋『SUPER RICH』(フジテレビ系)でプライムタイムの初主演を果たした江口のりこ(41)は、同局の現在の貢献度では20万円クラスだという。

ちなみに、ナレーションを担当する長澤まさみ(34)のギャラは10万円前後とのこと。

「女優としての大河出演であれば30万円クラス。今作では声のみの出演なので格安です。それでも出演を快諾したのは、やはり三谷さんからの“ご指名”だったからだそうです」(前出・NHK関係者)

民放ドラマと比べると“破格の安さ”ともいえる大河ドラマの出演料。それでも人気俳優たちがそろい踏みするのはなぜか。プロダクション関係者は次のように語る。

「NHKのドラマは出演料は安価でも制作費が潤沢なので、作品のクオリティが高い。大河ドラマのような豪華なセットや多様なロケは、もう民放では難しいでしょう。それゆえ、役者さんの満足度も高く、“ギャラは問わない”と言い切る大御所の方もいます。

また、大河ドラマや朝ドラは民放ドラマに比べ視聴者の年齢層が高く、若い役者さんたちにとっては、これまで認知されていなかった層にも名前を覚えてもらえるというメリットもあります。そうして知名度が上がれば、映画やCMへの出演につながります。事務所サイドとしては、NHKの作品に出演することは“稼ぐ”ためではなく“箔を付ける”ためと考えているのです」

ますますの盛り上がりを見せる『鎌倉殿』。今作で実績を積み、ギャラ大将軍・西田を脅かす役者がいずれ登場するかもーー。