機能もデザインも年々進化を遂げていくアウトドアウエアですが、穏やかな天候のこの時期には、落ち着いた雰囲気のクラシックアウトドアウエアも魅力的。

というわけで今回は、ほどほどに機能的で雰囲気も良く、耐久性も抜群なウエアたちを素材別にご紹介します!

【60/40 & 65/35】化繊と綿のハイブリッドクロス。

まだゴアテックスなどの透湿防水素材がなかった時代、屋外用の防水素材と言えばゴム引きなどの快適とは言い難いものしかなかった。しかし1968年にシエラデザインズが発売したマウンテンパーカには、60/40クロスと呼ばれる素材が使われており、軽度の防水性と透湿性を兼ね備えていた。

この生地はタテ糸にナイロンを、ヨコ糸にコットンをそれぞれ42%と58%の割合で使用しており、コットンが水を含むと目が詰まり、ナイロン糸が持つ撥水性と相まって水の浸入を防ぐという機能を持っていたのだ。また少し遅れてザ・ノース・フェイスは65/35クロスを使用したダウン製品などを発表。

こちらはポリエステル繊維の周囲にコットン繊維を65%/35%の割合で巻きつけた糸で織られており、コットンの膨張で防水性を高める点は60/40と同じだったが、表面がすべてコットンであることから手触りがソフトという特徴も持っていた。

SIERRA DESIGNS(シエラデザインズ)

シエラデザインズの代表作マウンテンパーカの丈を短くアレンジし、より街でも着やすくなった「ショートパーカ」。丈の他にも左胸ポケットの形状など細部でデザインが異なる。¥41800

(問)アリガインターナショナル tel:03-6659-4126 http://sierra-designs.jp/

KAVU(カブー)

60/40クロスで製作したカブーの「レイニアパーカ」は、マウンパをべースにしながらもミリタリー的なディテールを融合した1着。大きめのフードは急な悪天候にも対応する。¥37400

(問)エイアンドエフ tel:03-3209-7575 https://aandf.co.jp/#/

EMS -Vintage-(イースタンマウンテンスポーツ)

60/40クロスで製作されたイースタンマウンテンスポーツのアノラック。この年代を象徴するようなグリーン×パープルの色使いが雰囲気抜群の1着だ。’90年代。¥5900

(問)デザートスノー1号店 tel:042-727-3660 https://desertsnow77.thebase.in/

【MACKINAW】交易時代を想起させるウール製品。

かつて北米大陸の五大湖であるミシガン湖とヒューロン湖がつながるあたりにあった交易所、通称マッキノーでは、ヨーロッパ人が織った丈夫な毛織物とインディアンが捕獲したビーバーの毛皮がトレードされていた。

それが語源となってメルトンのような目の詰まった丈夫な毛織物は、やがてアメリカではマッキノーと呼ばれるようになった。そしてその名を製品名に冠して売り出したのが1897年シアトルで誕生したC.C.フィルソン。

丈夫で暖かいマッキノーのアウターは、銃の誤射を防ぐチェック生地がウールリッチによって開発されるなどしたこともあり、次第にハンターたちの間で評判となっていった。マッキノーのジャケットはアメリカで誕生したもっとも古典的なアウトドア用衣料と言えるだろう。

FILSON -Vintage-(フィルソン)

フィルソンの代表作である「ダブルマッキノークルーザー」は現行品では未展開で、さらに青×黒は古着でも希少なので気になる方は是非。US製。’80年代。¥32780

(問)ピグスティ 渋谷神宮前店 tel:03-6427-3392 https://pigshibuya.thebase.in/

WOOLRICH -Vintage-(ウールリッチ)

フィルソンと並びハンターの間で人気の高かったウールリッチのマッキノージャケット。チンストラップや非対称ポケットなどシンプルながら見どころ満載。’50年代。¥22000

(問)バックストリート tel:042-720-0355 https://backstreetstore.jp/

PENNEY’S -Vintage-(ペニーズ)

表地にオンブレチェック、裏地には同素材のバッファローチェックをあしらったフルジップのハンティングジャケット。時代を感じさせるコンマージップも魅力だ。’50年代。¥18000

(問)シーエー tel:03-3313-1710 https://caatkouenji.jp/

【COTTON DUCK】厚手かつ丈夫なコットンキャンバス。

ダック」というのは日本で言うところの帆布の一種である。しかし一般にコットンダックは、普通のキャンバスクロスよりも厚手で丈夫なものを指し、アメリカでは古くからワークウエアやハンティングウエアの素材として使われてきた。

ダック」という名称の由来は諸説あり、かつてヨーロッパの船乗りがよく着ていた服に使われていたリネンのキャンバスクロスをオランダ語で表す「Doek」(日本語でスニーカーを指すズックの語源でもある)が語源であるとか、ヨーロッパから穀物等を運んだ丈夫な麻袋に鴨のイラストが書かれていたからなどと言われたりしているが、いずれにせよかつてはリネンで織られていたダッククロスは、やがてコットンが主流になり現在にいたっている。

HINSON -Vintage-(ヒンソン)

オリーブグリーンの本体に赤茶系のコーデュロイ襟が一際映えるハンティングジャケット。シリコンコーティングされたダックを採用し、独特の素材感が楽しめる。’50年代。¥24000

(問)シーエー tel:03-3313-1710 https://caatkouenji.jp/

L.L.Bean(エル・エル・ビーン)

1924年に初めてハンティング用として紹介されたエル・エル・ビーンの「オリジナル・フィールド・コート」。表地には撥水・防汚加工が施されている。¥25300

(問)エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター tel:0422-79-9131 https://www.llbean.co.jp/

Carhartt WIP(カーハート WIP)

胸元がスッキリとしたVネックやフルジップ、パッチポケットなど、レイヤードしやすいシンプルでクリーンなデザインが魅力的なカーハート WIPの「アーバーべスト」。¥25300

(問)カーハート WIP ストア トーキョー tel:03-3402-9810 https://carhartt-wip.jp/

【WAX COTTON】イギリスで誕生した透湿防水生地。

キャンバスクロスにパラフィンオイルを染み込ませて、防水性を高めながら通気性も確保するという古典的な素材がワックスコットン。1894年にイギリス北東部のサウスシールズで創業したバブアーは、この素材を採用した最初のメーカーとしてよく知られている。

雨や泥汚れに強いワックスコットンは漁師やハンターだけでなく、ダートで行われていたオートバイレースのシーンでも重宝され、バイカーウエアとしてもよく知られる存在となった。

周囲のものを汚したり臭いが気になることもあるワックスコットンだが、独特の風合いは唯一無二のもので、経年変化によって変わってゆく表情も特徴のひとつ。オイルを補充するなどのメンテナンスをすれば一生着ることができる丈夫さも魅力と言えるだろう。

LEWIS CREEK -Vintage-(ルイスクリーク)

バブアーのフィッシングJKT「スペイ」を彷彿とさせるショート丈が特徴。マイナーブランドの製品だが細部に渡りユニークなディテールが満載。スコットランド製。’80年代。¥27280

(問)キャノンボール 東京都町田市原町田2-8-1 町田KKビル 202

Barbour × L′ECHOPPE(バブアー×レショップ)

レショップ定番にして、裾にかけて広がるビッグシルエットが人気の「バルカラーコート」をバブアーに完全別注。脱着可能なフード付きで経年変化も楽しみな1枚。¥69300

(問)レショップ 青山店 tel:03-5413-4714 https://lechoppe.jp/

POLO by Ralph Lauren -Vintage-(ポロ ラルフローレン)

いかにもラルフローレンらしい、美色タータンチェック柄が一際目をひくジャケット。ブラウンのコーデュロイ襟もアクセントとして機能する。US製。’90年代。¥15000

(問)デザートスノー1号店 tel:042-727-3660 https://desertsnow77.thebase.in/

【GORE-TEX】ODシーンを一変させた夢の素材。

透湿防水素材の元祖であるゴアテックスは、1970年に誕生。もともとデュポン社の研究員だったW.L.ゴア氏が独立して設立した会社で生まれたもので、微細な穴を持つフッ素樹脂製の膜を生地裏に接着することにより、水をシャットアウトしながら水蒸気は逃がすという機能性を実現させた。

現在のゴアテックスは当時のものと比べると飛躍的な進化を遂げ、ハイテクな3レイヤーの製品が多くなっているが、2レイヤー+裏地が主流だった1980年代までの初期ゴアテックス製品はまだクラシックな印象で、それでいて日常での使用においては申し分ない透湿性と防水性を兼ね備えているから、ちょっとした雨や風をしのぐには申し分なく、 デイリーウエアとしてうってつけではないだろうか。

BANANA EQUIPMENT -Vintage-(バナナイクイップメント)

マーモットやアーリーウインタースと並びゴアテックスをいち早く採用。「一皮剥けた」製品を展開した、バナナイクイップメントの定番マウンテンパーカ。’70年代。¥11000

(問)バックストリート tel:042-720-0355 https://backstreetstore.jp/

Eddie Bauer -Vintage-(エディー・バウアー)

ダウン製品の元祖である米ODブランドの老舗エディー・バウアー。こちらはフード一体型で胸ポケットも省略された、べーシックなマウンテンパーカ。’80年代。¥10780

(問)ピグスティ 渋谷神宮前店 tel:03-6427-3392 https://www.pigsty1999.com/shop/shibuya/

Marmot Mountain Works -Vintage-(マーモットマウンテンワークス)

ゴアテックスの黒タグを備えた名品「パウダージャケット」。この個体はフードとパウダースカートが欠損しているが、街着メインならむしろ合わせやすいはず。’70年代。¥10780

(問)べルべルジン tel:03-3401-4666 https://webstore.berberjin.com/

Edit/Takatoshi Akutagawa(Thunderbird Design)
Photo/Hiroyuki Yamada Styling/Takahiro Nakajima

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