韓国の中部に位置する忠清南道牙山市で11日、建設中の7階建てビルが突然30度ほど「傾いた」事故について、韓国メディアの14日付報道によれば、基礎工事で手抜きが行われていたことが分かった。国際在線は「建設費用を節約するため」、「建材の使用上でごまかしがあった」などと報じた。

 牙山市の警察によれば、傾いたビルの設計図では基礎部分に太さ40センチメートルの鉄杭を69本打ち込むことになっていたが、実際に打ち込まれた鉄杭は10本少なかった。また、警察の現場検証によって、また、設計図では基礎コンクリートの厚さを1メートルと指定していたものの、実際は60センチメートルにとどまっていたことがわかった。

 記事は、警察側が現在、建築法違反の容疑で建設業者についての調査を進めていることを伝えたほか、手抜き工事を指示した人物についても調査を進める方針であることを伝えた。一方で、工事の現場責任者などは行方をくらましており、所在がわからなくなっているという。

 同ビルは1階が駐車場、2-3階がオフィス、4-7階が宿泊施設として使用される予定で、5月末に竣工予定だったが、記事は牙山市が17日にビルを取り壊すことを決定したことを伝えた。

 同ビルは、韓国のインターネットユーザーらから「韓国版ピサの斜塔」と呼ばれたことなどからも話題となっていた。(編集担当:村山健二)(写真は国際在線の14日付報道の画面キャプチャ)