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毎日、なんとなくの不調に悩まされると、日常生活の中でできることがあるなら取り入れたいと思うもの。今回、朝のスープ習慣がさまざまな症状を改善すると聞きつけました。10分以内で完成する、栄養たっぷりスープの作り方、教えます――。

「人の体は、食べたものでできています。だから、体を変えたいときは、食べ物を見直すのも1つの方法です。体調の改善に有効な栄養素を積極的に取ることで、持病や不調が徐々に軽快することが期待できます」

こう語るのは、栄養療法を実践する医師の姫野友美先生。人生100年時代、“健康で長生き”するために、必要な栄養素をきちんと知って、食事から取るように心がけたい。

ただ、栄養面をよく考えて食事を取りたいが、忙しい毎日、なかなか続かないのが現実だ。

「上質な食材を時間をかけて調理すれば、栄養面も味もすばらしいものができますが、毎日は続かないでしょう。身近な食材から栄養を引き出し、簡単・時短でおいしく食べたいなら『蒸しいため』が最適です」

そう教えてくれたのは、料理研究家の藤井香江先生。栄養について調べ、実際に食べて効果を検証。調理法も工夫してきた。蒸しいためは、最初に食材と少量の水と油を鍋に入れふたをし、強火にかけることで水蒸気が対流し、食材全体に油がコーティングされる。軟らかく仕上がり、うま味もアップするという。

そこで今回、姫野先生に女性の不調の悩みに必要な栄養素を聞き、それを使って藤井先生が考案したスープレシピを紹介。

【腰痛】ビタミンBとマグネシウムを意識

「腰痛がつらい方は、筋肉疲労を回復させるビタミンB群を取っていただきたい」(姫野先生・以下同)

■のりとアサリのバタースープ

アサリのビタミンB群、のりのマグネシウムが腰痛に効果的。のりとバターの香りが朝の食欲をそそる。

〈材料〉2人分

アサリ缶…1缶
長ねぎ(小口切り)…1/2本
顆粒コンソメの素…小さじ2
酒…大さじ1
水…300ml
バター、いりごま…各小さじ1
焼きのり(細かくちぎる)…1枚

〈作り方〉

(1)鍋にアサリ缶、長ねぎ、顆粒コンソメの素、酒、水を入れ、ふたをして中火にかける。
(2)煮立ったら火を止めて器に盛る。バター、いりごま、のりをのせる。

【乾燥性皮膚炎】カサカサ肌にはコンドロイチンや亜鉛を

「皮膚の乾燥に悩む方には、皮膚の角質化を防ぐビタミンAや皮膚の新陳代謝を促す亜鉛が有効です」

■牛肉とオクラ中華風スープ

オクラのコンドロイチンは肌の潤いに。牛肉の亜鉛で新陳代謝を上げ美肌になろう。

〈材料〉2人分

もやし…1/2袋(100g)
牛こま切れ肉…150g
オクラ(輪切り)…4本
水…300ml
顆粒コンソメの素…小さじ2
A:油…小さじ1/2、塩…ひとつまみ、水…50ml
焼き肉のたれ…大さじ2
おろしにんにく…小さじ1/2(チューブも可)
にら(小口切り)…2本
※好みでいりごまラー油…各適量

〈作り方〉

(1)鍋に豆もやし、牛肉、Aを入れ、ふたをして強火で3分蒸しいためにする。
(2)オクラ、水、顆粒コンソメの素を入れて強火にかけ、煮立ったら中火で2分ほど煮る。アクがあればとる。
(3)焼き肉のたれ、にんにくで味をととのえ、にらを入れる。

メタボ】ビタミンB群と食物繊維を積極的に

「コロナ太りやメタボリックシンドロームを改善するには、腸内環境を整える食物繊維が効果的でしょう」

■豚バラとキャベツのピリ辛スープ

炭水化物の代謝に必要なビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維を取り、不足気味なタンパク質を補おう。

〈材料〉2人分

豚バラ薄切り肉(一口大に切る)…100g
キャベツ(ざく切り)…4枚(200g)
にんにく(薄切り)…1片(おろしチューブも可)
顆粒鶏がらスープの素…小さじ2
めんつゆ(3倍濃縮)…小さじ1
水…300ml
刻み唐辛子…適量

〈作り方〉

鍋にすべての材料を入れて、ふたをして中火で5分ほど煮る。

「栄養はスープで取るのがおすすめです。スープは調理が簡単で、ビタミンB群など水に溶けやすい栄養素も汁ごと余すことなく摂取できます。体にいい栄養素を含む食品をいろいろ入れると、栄養満点の一皿ができますし、なによりおいしいのがいいでしょう」(姫野先生)

PROFILE

藤井香江先生

料理研究家、簡単ダイエットの専門家で「朝ジュースダイエット」を考案。食の力で健康になるジュースやスープのレシピ開発を行う

姫野友美先生

心療内科医、ひめのともみクリニック院長。監修書に『ストレス脱出レシピ 心療内科医に教わる「ごはん術」』(主婦の友社)などがある