チェルシーの買収に関心を示していたリケッツ・ファミリーが、チェルシーのファンと会うことを望んでいるようだ。イギリスBBC』が伝えた。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1カ月が経過。その主導者であるウラジーミル・プーチン大統領と親しい仲にあるチェルシーオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏はイギリス政府によって資産が凍結された。

資産凍結前、アブラモビッチ氏はクラブの売却の意向を表明。しかし、巨額の費用が必要になることから買い手がなかなか決まらないまま、資産が凍結される事態に。しかし、イギリス政府も特殊なライセンスを与えることで、クラブの存続と、売却の許可を与えるとされている。

そのチェルシー買収に興味を持っている資産家は多かったなか、6つのグループが入札を行ったという。そのうちの1つが、リケッツ・ファミリーだ。

リケッツ・ファミリーはアメリカの資産家。2008年に経営破綻したメジャーリーグベースボール(MLB)のシカゴ・カブスの経営権を取得した。

当時は、福留孝介(現:中日ドラゴンズ)らが所属し地区優勝を果たしていたが、福留を含めた高額なベテラン選手を放出して経営の安定を図った。その後、2016年にワールドシリーズを制覇。日本人選手もダルビッシュ有(現:サンディエゴ・パドレス)が過去に所属し、今シーズンは広島東洋カープから鈴木誠也を獲得するなど、日本でも馴染みのある球団のオーナーを務めている。

しかし、チェルシーのファンは、アメリカの球団を持っていること、さらにジョー・リケッツ氏が2019年に反イスラム教徒のコメントを出したことで否定的な見方をしている。

チェルシーのOBであるポール・カノヴィル氏は「もう十分見たし、聞いた。私はチェルシー・サポーターズ・トラストを支持し、リケッツの入札に大きな反人種差別のNOと言う」とSNSで発信した。

また、シカゴにあるチェルシー公式サポーターグループの代表であり、シカゴ・カブスのファンでもあるブライアン・ウルフ氏は「リケッツの入札が、アメリカや世界中のファンから『普遍的な軽蔑』を持って迎えられたと主張した後、他の選択肢を優先して拒否する様、売却担当者に強く要請した」としている。

しかしながら、リケッツ・ファミリーの近い筋によると、問題視されているジョー・リケッツ氏は、子供のトム、トッド、ローラチェルシーへの入札を行っているものの、自身は全く関与していないとのことだ。

リケッツ・ファミリーは、アブラモビッチ氏から運営を譲渡されたチェルシー・サポーターズ・トラストとチェルシーピッチオーナーズと話をしたいとのこと。果たして買収は叶うだろうか。

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