週刊少年サンデー』の人気コミック「マギ」が、6月にミュージカル「マギ」-迷宮組曲(ダンジョンクミキョク)-としてミュージカル化決定。ヒロインである最強の狩猟民族ファナリスの少女・モルジアナを、AKB48岡田奈々が演じることが発表された。岡田は2022年1月に「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で頂点に立ち、近年はその歌唱力や表現力を生かして舞台・ミュージカルでも活躍中。漫画好き、アニメ好きの一面も持つ岡田にとって、2.5次元舞台への出演は念願でもあったという。今回は出演が決まったばかりの岡田に取材を敢行し、ミュージカルや“ステージ”へのこだわりをたっぷりと聞いた!

【写真を見る】ピンク髪が映える…岡田奈々の撮り下ろしカット11枚!

2.5次元ミュージカルは一番興味のあるジャンルでした

――最初にミュージカル「マギ」出演のお話を聞いたときはどう感じましたか?

岡田:マネージャーさんからサラッと「6月ぐらいに『マギ』のミュージカル決まったから」みたいな感じで言われたので、「えっ!」となりました(笑)。びっくりしましたし、2.5次元ミュージカルは一番興味があるジャンルだったので、すごくうれしかったです。

――2.5次元舞台をご覧になったことはありますか?

岡田:ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」と舞台「魔法先生ネギま!」を見たことがあります。元々アニメやマンガがすごく好きなので、自分が演じる側になってみたいなという願望がありました。

――「ハイキュー!!」などをご覧になって、いかがでしたか?

岡田:本当にアニメの世界が三次元に飛び出してきたかのような…まさに“2.5次元”だなと思いました!生で演じているのを見られるのがやっぱり面白いなと思いました。私は歌が好きなので、歌ありきの2.5次元舞台はぜひともやりたいなと思ってました。

モルジアナの“推し”ポイントは…「かっこいい姿に惚れました」

――岡田さんは原作ファンの気持ちもすごく分かっていらっしゃると思うのですが…。

岡田:分かります!すごく分かります

――その上で、どういうところに気を付けてモルジアナというキャラクターを演じていきたいですか?

岡田:モルジアナは奴隷として生きてきて、最初は無表情で無感情、ちょっと冷たい印象なので、そういうところを意識したいです。あと、とにかく身体能力が高いんですよね。アクションシーンでどれだけ漫画に寄せてカッコ良くできるか、強くなれるかが大事になってくると思うので…すごく不安です(笑)。でも、普段の自分と別人になれるのがお芝居だと思うし、今回は特に自分とは全然違うキャラクターになりきるので、いかに寄せていけるかですね。

――漫画好きの岡田さんから見た、モルジアナの“推し”ポイントは?

岡田:まずかわいい!顔がいい!というところもそうですし、私は強いキャラクターが好きなので、モルジアナの武器や魔法を使わずとも人を助けたり、敵を倒せるというかっこいい姿に惚れました!男性キャラクターが多い中、モルジアナはヒロインというすごくいいポジションなので、頑張りたいですね。

――「マギ」の中で“推し”は見つかりましたか?

岡田:難しいですね…!もちろんモルジアナちゃんは一番好きなんですけど、アラジンもかわいいし、アリババもイケメンだし…。でも、シンドバットがきっとすごく強いんだろうなと思って。まだ読み進めている途中で、シンドバットがまだ自分の力を発揮できない状態にいるんですけど、今後シンドバットの強さがもっと分かると思うので楽しみです。結構“タラシ”の一面があるようにも見受けられましたし(笑)。強くてタラシって…いいですよね(笑)。だからシンドバットに期待です!

■舞台経験がAKB48の活動にも好影響…「やっぱり舞台はすごい」

――最近はミュージカルにも多く出演されていますが、AKB48のパフォーマンスとミュージカルに共通点はありますか?

岡田:似てるところは…ないですね。アイドルと舞台は全く別物だと思います。発声の仕方も違いますし、アイドル活動で歌番組に出ると十数人で同じ歌割りを歌ったりするので、そうなるとミュージカルの発声の仕方は絶対にしないです。

――全く違うとなると、初めてミュージカル挑戦したときは大変だったのでは?

岡田:大変でした!確か16歳とかだったんですけど、声が出なくて…。当時の演出家さんが厳しい方で、細かい基礎や発声をたくさんやって、だんだん声量が出せるようになりました。舞台に出るようになってからAKBのライブパフォーマンスにも生かせるようになったので、本当に舞台やミュージカルのおかげでアイドル活動も変わりましたね。「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で1位を獲れたのも、ミュージカルや舞台の積み重ねがあったからだと思うので。やっぱり舞台はすごいです。成長させてくれます!

――舞台に立つのはお好きですか?

岡田:好きです!もう、稽古が長いっていう時点で好きです(笑)。舞台の稽古って大体1カ月もあるんですよ。稽古を1カ月間やっていると、だんだんその緊張がなくなって、役に入り込める瞬間があるんですね。映像だとそんなに何十回もできないじゃないですか。舞台は緊張しいの自分でも楽しく演じるところまで進められるので、大好きです。

――舞台に立つ上で「ここだけは負けられない!」と思うところはどこですか?

岡田:自分の中ではまだ“強み”みたいなものは分かっていませんが、ファンの方から「何を演じてても岡田奈々だね」と言われたことがあって。それは良くも悪くもなんですけど、イチからキャラクターを作り上げても出で立ちや立ち居振る舞いに“岡田奈々”が出て、それが人の目に留まるものなのかなというふうには思います。

――岡田さんが思う、ミュージカルの魅力とは何でしょう?

岡田:私は歌が好きなので、音楽や歌がある舞台はやっぱりいいなと思います。それから、お芝居だけでも楽しめるけど、歌があることでより一層ワクワク感が足されたり、物語が深く入ってくるところが普通の舞台とは違う魅力かなって。

――やはり、岡田さんの根幹には歌があるのですね。

岡田:そうですね。AKBでも常にステージで歌を歌ってきたので。歌ありきのステージだなという生き方になっちゃってますね。

■舞台の上で表現することがすごく好きみたいです

――それでは、ミュージカルAKB48の劇場公演などを全部ひっくるめて、舞台に立つ醍醐味は何だと思いますか?

岡田:コロナ禍で無観客公演になることもありましたが、やっぱりお客さんに生で見ていただけるのが一番なのかなって思います。その場の空気というか、その場でしか味わえないものだと思うので。

――ステージ上から客席の反応は見えますか?

岡田:アイドルをやっているときは、曲中にお客さんにレスを送ったり、アイコンタクトを取ったりするんですけど、舞台だと役に集中しているので基本見ないです。だから、カーテンコールのときに「お客さんこんな感じだったんだ!」って(笑)。見える景色が全然違うので、楽しいですね。舞台をやっている時期も楽しいし、AKB劇場に戻ってきたときも楽しいし。どっちもやりがいがあります。私はやっぱり表現することがすごく好きみたいで。舞台の上で、自分の声色や目つき、表情とかダンスで何かを伝えるっていうのが、すごく好きです。

――ミュージカル「マギ」は歌もありますし、共演者にもいろいろなジャンルの方がいて、大きな刺激がありそうですね。

岡田:そうですね!最近の中では「マギ」が一番人数の多い舞台になると思うので、いろんな人から学べそうですごく楽しみです。

――最後に、ミュージカル「マギ」で楽しみにしていることを教えてください!

岡田:楽しみにしていることは、魔法を使った瞬間の舞台上が一体どうなるのかですね!どうやってステージ上で魔法を表すのかすごく楽しみにしていますし、モルジアナちゃんの飛べちゃうぐらい、地面を壊しちゃうぐらいの脚力をどう表すかというのも想像がつかなくて、とても楽しみです。ぜひたくさんの方に見ていただきたいです!

岡田奈々/ 撮影=友野雄