ジム・ダンベル・トレーニング

さまざまな器具・用具が存在するスポーツジムのトレーニングルーム。大変重いものや、はさまったら危険なものも多く、トレーニング中の人に決して接触しないよう、お互い慎重に行動することが求められている。

オーストラリアのスポーツジムで、2020年10月に起きていた1件の恐ろしい事故。被告人は「悪気はなかった」と主張していたが、判事の受け止め方は違ったようだ。『news.com.au』『Daily Star』などが報じている。


■20kgのダンベルが落下

事故は2020年10月22日オーストラリアダーウィン郊外のローズベリーという町にある、スポーツジム「Next Level」で起きた。

20kgのダンベルを手に持った会員がフロアを歩いていたなか、ベンチプレスを行っていた別の会員の頭の近くで転び、持っていたダンベルがその頭部に落下。出血が始まり、ただちに救急車が呼ばれた。

なお、プライバシーを重んじ被害者の名前などは明らかにされていない。


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■「転倒して捻挫した」

搬送先の病院で、被害者の男性は左前頭骨の陥没骨折と診断され、ほかにも左眉の上の裂傷、顔面の腫れ、頭痛、胸痛について治療を受けた。現在も治療は続いており、血圧に問題を抱え、精神不安も訴えるようになっているという。

この事故で、傷害罪につき起訴されていたのはシェーン・ウィリアムライアン被告(33)。現場では「転倒して捻挫した」として、左足首の痛みを訴えていたことがわかっている。

■「関係は良好だった」と主張

ライアン被告は、その後も一貫して「あれは転倒。意図的にやったのではない。お互いの関係は良好だった」と主張。被害にあった男性にも恨まれているといった意識はなかった。

そのため偶発的な事故という見方が強まっていたが、検察側はジムに防犯カメラのデータを提出するよう求めた。当時の時刻は午前3時52分。トレーニングルームには加害者と被害者の2人しかいなかったためだ。


■防犯カメラの映像を分析

ノーザンテリトリー最高裁判所の判事は、その映像を専門家と分析した結果、ライアン被告は意図的にそのベンチに接触し、被害者の顔にダンベルを落としたと判断した。

被告は懲役19ヶ月の実刑判決を言いわたされたが、来年11月24日まで仮釈放の資格は与えられないという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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