クイーンズランド州警察は3月25日、19日に同州の動物保護施設に侵入し、ピエロに扮して生後4か月の子犬を盗難した33歳の男を“子犬の盗難に関連する建物侵入および不法侵入罪”で起訴した。子犬はSNSで情報提供が呼びかけられ、警察の捜査によって23日に無事に見つかった。『7NEWS』『9News』などが伝えている。

クイーンズランド州ダカビンにある動物福祉団体「英国動物虐待防止協会(RSPCA)」の保護施設に3月19日午前2時頃、ピエロの覆面をした男が侵入し、猫用のベッドと生後4か月のスタッフォードシャー・ブル・テリアのミックス犬“カシュー(Cashew)”を盗んで逃走した。犯行の一部始終は施設に設置した監視カメラが捉えていた。

犯行時、男はジーンズに黒いシャツ、そしてホラー映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』に登場する白塗りの顔に赤い髪が特徴的なピエロの覆面を被っており、盗んだ猫用ベッドを頭に載せていた。そして持参した電動工具でケージの鍵を壊し、嫌がって抵抗する子犬のカシューを抱きかかえて去っていった。

カシューは前日に手術を終えたばかりで投薬治療中にあり、翌日には新しい家族に引き渡される予定だったそうだ。

監視カメラの映像を確認した施設職員のディジュアナさん(Dijianna)は「無防備な子犬が盗み去られるのを見るのは、とてもつらい」と述べ、このように明かした。

「この子をケージから出してさらっていく犯人の(子犬の)扱いを見ると、子犬が苦しんでいるのが明らかに分かります。」

「受け入れ先を見つけるために(カシューは)一日だけ公開されましたが、多くの人がこの子に会いに施設へとやってきました。」

その後、情報提供を求めるSNSが拡散され、集まった有力な情報をもとに警察は23日、カシューをクイーンズランド郊外のマンゴー・ヒルの一角で見つけて保護した。発見時、カシューは安全な場所にいたという。

「RSPCA」クイーンズランド州の広報を担当するエマ・ラグーンさん(Emma Lagoon)は、捜索に協力してくれた人々に感謝するとともに次のように述べている。

「カシューが保護されたことに本当に感激しています。カシューがRSPCAに戻れるよう心配してくれた警察と市民の方々には、いくら感謝してもしきれません。」

トラウマになるほどの苦しい経験の後、カシューがやっと新しい家族のもとへ行けることを嬉しく思います。」

クイーンズランド州警察は3月25日の午後、ピエロに扮してカシュー盗難に関与したとみられるデセプション・ベイ在住の男(33)を発見。男は警察に任意同行し、レッドクリフ拘置所で“子犬の盗難に関連する建物侵入および不法侵入罪”で起訴された。

なお男は厳しい条件付きで一旦保釈され、4月6日レッドクリフ治安判事裁判所に出頭する予定だという。

画像は『9News 2022年3月23日付「Puppy stolen from RSPCA by man in clown mask reunited with carers」(QPS)(Nine)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE

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